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                          California as I saw   

                                                投稿者:Steve Todaメール    投稿日:2016年 9月 1日(木)    


  カリフォルニア見たまま(5)

  ここでの衣食住について書いてみようと思います。

 まず、住いについて。 ここに来たすぐには住宅が安いのに驚き、こんな所に住めればいいなあと思いました。 
当時、シリコン・バレーで中程度の一軒屋が平均年収の3倍位で手に入りました。 ですから、大部分の
所帯持ちは住宅を買って子供を育てることになります。

  このあたりでの平均的なサイズの家である現在の我が家は土地が約150坪で建物が50坪。 
木造2階建てでベッドルームが4つ、バスルームが2つ半、 それにフロントルーム(客間)、
リビングルーム(居間)、キッチン、ガレージ(車2台分)がついています。バスルームの半分という表現は
トイレと洗面所のみで浴槽もシャワーもないものを意味します。 すなわち、ウチは浴槽付きがひとつ、
シャワー付きがひとつプラストイレひとつでここでは標準的な間取りです。

 キッチンには冷蔵庫、オーブン+コンロの他にデッシュ・ウオッシャーとガーベッジ・ディスポーザー、
換気扇がついています。ディスポーザーとは流しの下にゴミを砕くモーターがついていて、生ゴミを
粉砕して下水に流す装置で日本では見たことのないものです。 
だから、ここでは生ゴミがあまり出ないのです。

 屋根は元々はシングルといって木を縦割りしたものだったのがこの前葺き替えた時、スレートにしました。 
築30年になるのでその間に外壁のペンキや屋根さらには窓(二重ガラスに替えた)キッチン、バスルーム
などの改装をしました。 こちらの住宅は木材をふんだんに使って丈夫に作られていて100年以上もつの
ですが手入れはしておかないと駄目になります。それから住宅の壁と天井には断熱材が入れられており
暖冷房効果が上がるようになっており、窓も二重ガラスのものになってきておりここでもエコというか
エネルギーの無駄使いをしないように変わってきています。 太陽発電のパネルもあちこちで見られる
ようになってきています。  以前の様にエネルギーはここでも使い放題ではなくなってきています。

 日本の家と違うのは畳はないので寝るのはベッドの上だけ。 カーペットの部屋は部屋全部に敷いてある。 
バスルームは大きくトイレット・ボウルと洗面台がついていて必ずお湯が出る。  最初の頃驚いたのは
バスルームの広いこと。 最近は小さめになってきましたが6畳位の大きさで用をたすのに落ち着かない
感じがしました。 バスルームだからトイレではなく浴室なのでそこにトイレット・ボールがあるからですが。

 ガレージにウオーターヒーター・タンクがあって家中にお湯が出る。 駐在時代に日本に仕事で帰った時、
本社でアメリカのアパートには風呂はついていますかと聞かれて驚きました。それで、アメリカでは
お湯の出ない建物は家とは呼ばず小屋と呼びますと返事したら、ポカンとしていました。 
バス・ルームのない家はないと言っていいでしょう。

 それから、こちらの家には大きなウオークイン・クローゼットと呼ばれる衣類の収納場所がついています。
ハンガーにかけた衣類をズラ〜とさげてあります。 我が家についているのは大きなものではありませんが
2畳分位のもので2人分の衣類は収納できます。

 最初にサンフランシスコで買った家は中古の小さいもので長く住むつもりはなかったので、子供が
出来てから市外の大きめの家に移ることにしました。  今住んでいるフリーモントはサンフランシスコ市内から
45マイルの所にあり、子供の学校も評判が良いと聞いていたので家を探していたら、まだ建設中の
建売住宅があり家内は新築のピカピカの家なので ”これにしよう”と飛びつき、買うことにしました。
子供を育てる為の家ですから、学校の良し悪しは重要なことです。

 新築の家を買う人は多いのはもちろんですが、中古の住宅を買う人も沢山います。  我々の最初の家も
中古でした。 こちらでは家族構成が変わったりして小さな家から大きな家へ移ったり、逆だったり、さらに
転勤で違う土地へ行ったりして新築の家が見つからないこともあるのでどんどん中古の家を買います。 
その場合売り手は壊れた部分を修理してペンキも塗り替え、場合によってはキッチンやバスルームを
改装して使いやすいものにしてから売ります。

 ここでは家の簡単な修理さらにはリモデル(リフォームとは言いません)は住んでいる人がします。 
日本でも最近はそのようになってきているようですが、大きなリモデルの為の店があり材料から
道具まで揃っており聞けば簡単なやり方も教えてくれるためです。 こちらの家のガレージには色んな
道具と工具などが揃っており作業台から道具箱もありちょっとした工務店の様です。 ここの亭主達は
相当な大工仕事が出来ないといけません。 私はこの点失格組です。 我が家のリモデルはプロに
やってもらいました。 なかには自分で家を建てるという人もいます。 小さな子供をつれた人が 
“今、自分で家を建ててるんだ” と自慢気に言うのです。

 最近の傾向としてこのあたりの住宅価格が高騰して年収の3倍などでは買えない事態になってきています。 
 この家の90万ドルというのは平均年収の9倍位でしょうか。  シリコン・バレーはアメリカ有数の産業地帯
ですから住宅や不動産価格がどんどん上がって昔最高だったニューヨークのマンハッタンに近づいて
きたようです。

 この国は国土の広い所ですから田舎へ行けば低価格の家がいくらでも手に入ります。 
私の家内の姉はサンフランシスコの高い家を売って隣のネバダ州のリノというカジノのある街に移りました。  
家の値段は3分の1でした。

 家のまわりはまず道には街路樹が植えてあり街灯もついており、日本と違うのは電信柱がありません。 
地下に電線は埋められています。 各家の表側は大抵芝生が植えられています。そして月1回、
ストリート・クリーンといってブラシのついたトラックが車道を回って道を掃除してくれます。 
ですから、緑の多い落ち着いてクリーンな住宅地という感じがします。

 つづく