California as I saw 投稿者:Steve Toda 投稿日:2016年 9月30日(金) カリフォルニア見たまま(7) ここでの食べ物の話しはすでに最初の所でサンドイッチのことを述べましたが、 アメリカにも美味しいものはあることと,食べ物はどんどん変化してきていることを 中心に書いてみましょう。 最初の頃、アメリカの食べ物がそれ程美味しくないこととしてのエピソードのひとつは ”ここのレストランで高いものは美味しいものではなく量が沢山出て来るのだ” ということを聞いた時。 なるほど、ここでは食べ物は我々にとって量的には二人分位 出て来る。で、味はウンと美味しいとは言えない。 では、美味しいものはないかというとさにあらず、美味しいものはある。 私自身美味しいと思うのは ”プライム・リブ” 。 これはロースト・ビーフの一種で リブというから牛のあばら骨の近くの肉の大きなかたまりをゆっくりローストしたもので ホースラデイッシュ、即ち西洋ワサビをつけて食べる。 血のしたたる位のレアーで 食べるとほのかに甘い、とろける様な味がします。 日本で生魚にワサビをつけて 食べるのと似ています。 巨大な肉を焼いたのが美味しいのでレストランでしかも 専門店で食べるのが最高ですがサンフランシスコにしかない。 そこで我が家でも 最近はクリスマスに小さめのものを家で焼くようになり、焼き方も分かってきたので まずまずのものが食べられるようになってきました。 bもうひとつ美味しいのはバーベキューのステーキ。 こちらでは炭火(といっても豆炭)で 肉を焼いて食べますがステーキを上手に焼くと非常に美味しい。 こちらの人は胡椒と 塩とガーリックをつけて料理しますが私は先輩駐在員のレシピでケチャップと醤油と胡椒の タレをつけて焼くのが好きです。 焼き方も片面を強火で焼いてひっくり返して、もう片面を さっと焼く。何度もひっくり返さないのがコツ。 中心部は赤く生の状態でないと美味しくない。 こちらの肉は固いので焼きすぎたら美味しいジュースが出て駄目になります。 それから七面鳥とかチキンの丸焼きも上手にローストすれば美味しいものです。 お腹の部分にスタッフィングと呼ばれる詰め物をするとそれに鳥のジュースがしみ込み、 美味しくなります。 詰め物とはクルトンという乾燥したパンに鳥についてくる臓物、レバーと 砂ズリにセロリやオニオンなどを加えてバターで炒めたものです。 我が家ではご飯で クルトンの代わりをします。 鳥の丸焼きは焼いたときに出る汁に塩胡椒を加えとろみを つけたグレービーというタレをかけて食べるのがポイント。 このグレービーがないと パサついて美味しく食べられない。 それから、最近は美味しいピザもあります。 日本ではピザパイというのでしょうか、 ここでは ”ピッツァ”と呼びます。 色々なトッピングがありますが肉も野菜ものっている ものでチーズが美味しいのだと思いますが、すごく美味しいものがあります。 ある時息子のバスケットの遠征試合でロスアンジェルスに行ってホテルについたら もう8時近くでレストランへ行くのも億劫なので部屋で食べるルーム・サービスにしようと 考えました。 メニューをみるとピザくらいしかなくて私は駄目だと言ったのですが息子は ピザが食べたいと言う。 しかたなくピザを注文して食べたら美味しいのなんの。 息子に謝るハメになりました。 それからやっぱりここで美味しいもののひとつはフランス料理です。 1ケ月先でないと 予約が取れないというフレンチ・レストランがあります。 素材を生かしてじっくり手をかけた 料理が出てきます。 ただし、高いレストランなのでなかなか行けません。 そういえば、 一般的にこちらのレストランは値段的にはそれほど高くはないという気がします。 フレンチはその例外です。 アメリカ料理は何かと言われればハンバーガー位しか思い浮かびません。 それも、 名前が示す通り元々はドイツのハンブルグが発祥の地です。結局純全たるアメリカ料理は ターキー、即ち七面鳥の丸焼きになるでしょうか。 あれは昔からアメリカ大陸に住んでいた 鳥ですから。 この国は元々ヨーロッパからの移民が作ったものですから料理も祖国から持ち込まれた ものになる訳です。 ロースト・ビーフはイギリスのものですし、ピザはイタリヤのもの。 中華料理はもうひとつの美味しい料理のひとつ。 むろん中国人が持ち込んだもの。 彼らは鉄道建設の為奴隷の様な状態で働いて古くからここに住み着いています。 ですから、中華料理のレストランの数はここでは一番多いかもしれません。 そのほか メキシコ料理やインド、アフガ二スタン、ロシア、スペインとか他のあらゆる国の料理があり、 移民の国であることを痛感します。 そして、最近は日本料理レストランも増えてきて、寿司屋、ラーメン屋、居酒屋、鉄板焼き などが沢山出来ました。 最初ここへ来た頃はこのベイエリヤに寿司屋は一軒のみ。 サンフランシスコの ダウンタウンに小さな太鼓橋を渡って入る ”三平ずし” でたいして旨くもない寿司がでてきて、 それを運んでくるのが着崩れた着物をきたウエイトレスでその態度はつっけんどんで、 それでもそこしか寿司はないのでおしいただいたものです。 寿司屋の看板を出しているのは一軒でしたが、日本食のレストランは沢山あってその内 幾つかは数百人も入る大きなものもあり、会社のパーテイーや大学の校友会の集まり などでよく行きました。 なかには女将が元ミス日本の大変な美人でお客を集めている店も ありました。 一方、街角の小さな日本食の店は素人料理で食べたらお腹の具合が悪くなる ような所もありました。 その後、”ベニハナ” という鉄板焼きのレストランがオープンして日本食の新しいものが 出現しました。 あれは食べ物屋ではなくてショービジネスで、焼いた肉を客の皿に飛ばしたり、 ソールトとペッパーの入ったシェイカーをお手玉したりして、焼き手のパーフォーマンスが 売り物ではありましたが寿司やほかの日本食も出して日本料理の普及には貢献しました。 そして、ここ20年程の間に ”Fusion" (ひゅーじょん)レストランが出てきて全米に広がりました。 これは西洋料理と東洋料理を融合(両者を一緒にしたもの)でステーキもあり寿司もあり中華も あるというものでニューヨークで ”ノブ” というレストランが大人気になり行列が出来るほどの盛況。 料理をフレンチのようにきれいに盛り付けをして出すのも喜ばれたようです。 さらに、旨い日本の 地酒も出して値段は高めにして高級感を出して客を集めました。 ラーメン屋も急に増えてベイエリアに50軒以上になりこれは日本の会社が日本のラーメン屋の レシピを買い取り、それをこちらの店でそのレシピを使わせる様にしたので旨いラーメン屋が どんどん増えたもののようです。 それから、寿司屋も回転寿司を含めてどんどん増えてその味も よくなってきており、聞いてみるとネタの一部は日本から飛行機で取り寄せているとか 回転寿司はこちらの映画館のそばに必ずあって、デートコースになり、寿司を食べてから 映画を観るというのが若い人のはやりになり、これが寿司屋の増えるのを加速しました。 それと、寿司の普及は中国人が生魚を食べるようになってからと思います。 今でも年寄りの 中国人は生魚は食べません。 所が若い世代の中国人は映画館の隣にある回転寿司屋で デートした世代でいわば寿司を食べるのはカッコイイことになったためです。 私が感じるのはアメリカ人の舌はどんどん進化して旨いものの味が判るようになってきた ということです。 生魚を食べるなど以前はそれだけで特に女性は拒否反応を示したのが 寿司屋で鮭のカマの塩焼きなぞを注文する人がいたるする位になりました。 ここサンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地の球場で寿司が売られているのにはびっくりしました。 ここまで寿司が普及するとは40年前には考えもしませんでした。 ベースボールはアメリカ文化の 最たるもの。 その球場に寿司があるとは遂に寿司がアメリカのものになったことを意味すると 私は思います。 つづく