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                      California as I saw  

                                     投稿者:Steve Toda  投稿日:2016年10月18日(火) 
 

  
 カリフォルニア見たまま(12)

 ここに来て特に驚いたことを書いてみましょう。

 なんでも大きい。 人間もナスビもきゅうりもピーマンもスイカもでかい。 人の大きいのは
野球場に行ったとき前の人が我々の倍位のサイズでよく見えないので困ることがある。 
飛行機でも時々隣の人がこちらへはみ出ていることがある。 相撲取り級の人はいくらでもおり、
まれには小錦サイズの御仁もいる。 もともと、大きい種類の人々が我々の二倍位食べるので
こうなるもののようです。 店では特大サイズばかりを売っている店もあり、そのサイズも 
XL, XXL, XXXLなど特大、特特大、特特特大など物凄いサイズも売っている。

 飛行機会社ではそのように二人分かそれ以上の体重の人には倍の運賃を取ると言ったら、
差別だと問題になったとか。  分かった様な分からない論争。 肥満による糖尿病が増えていて、
最近は痩せることが人々の間で叫ばれてはいるが、デッカイ人は減っているとは思えない。 
見ていると、そういう人はのべつ何かを食べている。

 野菜のサイズも大きい。 ナスビは最近日本でもでかいのが出ている様ですが、日本のナスビの
3倍位太い、爆弾形ものがここでは主流。 輪切りにして油で揚げて、甘味噌をつけると結構
いけるが日本食として味噌汁に入れたりするとアクが強くて美味しくない。 
きゅうりもイングリッシュ・キューカンバーというのは長さが30センチもあり太い。  ピーマンは
長さ、直径が10センチ近くもあり、皮も5ミリくらいあり、炒めて食べるのに1個で二人分になる。 
スイカは長うりで丸くなく日本のものの3倍位の重さがあります。 カリフォルニアは毎日
おてんとうさんギラギラで野菜もどんどん育つのか、大きいものが多くなったのでしょうか。

 次に驚いたのは、こちらの人は人前で大きな音を立てて鼻をかむこと。 それもおそろしく
大きな音で ”ブブーン” とやるのです。 我々は逆に食事のとき絶対に音を立ててはいけないと
いわれて、うどんやラーメンを啜らず、箸でつかんでそろそろと食べているのにです。 
スープは勿論スプーンごと口に入れスプーンをそっと取り出して音もなくスープを頂いているのに。

 これは、正しくここでのルールの違いからきています。 食事をしているときは音は立てては
いけない。 しかし、鼻をかむのは食事をしている時ではないから OK。 これはこちらの人に聞いて
確認したことです。

 それから、この国のデイライト・セイビングタイムも最初は戸惑いました。 毎年、4月に時計の針を
1時間だけ先に回し、10月に1時間戻し、夏の間だけ昼間が長くなるという政府の電気代節約の
為の夏時間制度です。夏は夜の10時近くにならないと真っ暗にはなりません。  困るのは、
年に二回時差が生じること。 朝起きるのが1時間早くなったり、遅くなったりするのでしばらくは
体調が狂います。 その証拠にこのデイライト・セイビングが始まった週は交通事故が増えると
ニュースで言っています。  日本との往復の時の時差ボケは身体につらいものと分かっているので
言うのですが、アメリカ人の平均寿命が短い理由のひとつはこのセイビング・タイムのせいでは
ないかと私は疑っています。

 これは、ここで起こる嬉しいことですが、人とぶつかることは絶対にないことです。 道でも建物の
中 でも、人が近づいてくると ”Excuse Me!" と言いながら立ち止まってくれるのです。  
国土の広い国だからなのか、人のことを大事にするという伝統からくるものか、これはどこでも
見かけます。  それから、店で順番に店員に話しかけるとき、自分より前から待っている人がいると 
”あの人が先だよ” と店員に言って後から来たのに先に買い物をすることはしません。

 ご存知の様に日本人の男が特に戸惑うのは、レデイーズ・ファースト。 ドアは男が開けて女性を
先に入れる。 エレベーターも女性を先に乗せて男が次に乗る。 車も男がさっとドアをあけて女性を
お乗せしてからドアを閉める。 重い荷物等は絶対に女性に持たせてはいけない。 これは
西部開拓時代から女性は子供を産むという重大な使命をもつ人なので、大事にしないと国の将来が
危うくなるという、切実な理由から始まったことで最近の様に男勝りというか男より強い女性が
出てきている時代には えっと言いたくなるような習慣ですが厳然として残っています。  
ここへ来てすぐに会社の人に厳しく仕込まれました。 車のそばでじっと待っているのです。 
私がドアを開けるとやっと乗り込んでくれました。

 それから、これは最近顕著になってきたことですが、男親が全く母親と同じ様に育児をします。 
私の娘と息子に孫ができてその育児を見ていると、まず第一に父親にも育児休暇が出るように
なりそれを取得して1ケ月とか休みを取り育児をします。で、全く半分づつ、例えば半日は母親、
あとの半日は父親というように育児をします。 今は母乳で育てる様になりましたが、搾乳しておいて
哺乳瓶で父親が夜中でも授乳します。 私自身の時は全く日本式で家内は働いていませんでしたので、
育児は100%家内に任せました。 これは最近では日本でもそれに近いことになってきていると
若い後輩から聞きました。 これは時代の違いからもきていることなのでしょう。

 ここへ来た頃、アイスコーヒーというものがここにはありませんでした。 旅行に出たとき
コーヒーショップでアイスコーヒーはありますかと訪ねた駐在員がいて、ウエイトレスが困った顔をして、
”もし暫く待ってくれたら、熱いコーヒーを冷ましてもってこれないこともないけど” と言う。 コーヒーは
淹れたての熱いのをすするものであるときめていたのだと思います。 当時はアイスコーヒーは
ここには存在しませんでした。

 それが今では、スターバックスを始めあちこちのコーヒー専門店でいくらでもあります。

 日本にあってここにないものがウオシュレット。 日本では空港やホテル、駅のトイレでもあるのに
ここでは見かけません。 日本人の友人とか我が家とか娘の家にはつけていますが、公の場所の
トイレには全く存在しません。  これは普及させてひと儲けすべきことかもしれません。

 これは私ひとりの独断的な印象ですが、日本にあってここにはないものの一つは 
”人の足を引っ張ること” です。 日本ではやっかみから人の足を引っ張る人がいますが、ここでは
そういうケースに出会ったことはないように思います。 ここではそういう行為はアンフェアーなことと
見做され、してはいけないことになっているように思えます。 あくまでも、正々堂々と競うことが
ここでは重要なことになっています。

つづく