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                           California as I saw  

                                         投稿者:Steve Toda  投稿日:2016年11月16日(水)


  
 カリフォルニア見たまま(15)


 ここへ来た当初日本と違うと感じたことの一つはアメリカは車社会だということです。 
今では日本も東京以外はかなりの車社会になってきていますので、今日現在では
日本と違うとは言えないようになってきたのかもしれませんが。

 ともかく、ここは交通システムは自動車中心という設計がなされていて、車なしでは
生きていくのが難しいと言っても過言ではありません。 現在でも大部分の人は車で
通勤し、車で買い物に行き、車で病院にも行き、近距離の旅行も車を使います。

 そして、この車社会の典型がロスアンジェルスです。 私の住みたくないアメリカの町の
一つですが、その理由は交通手段が車しかなくフリーウェイがいつも渋滞しているからです。 
一度娘が在学中に、UC ロスアンジェルスに週末でない日に行ったら最後の1マイルを
走るのに30分もかかり、怒り心頭。もう絶対に週末以外にはロスアンジェルスには
車で行かないと決めました。 ロスアンジェルスは6〜7レーンもある広いフリーウェイ
一杯にびっしり車が走っていてそれがいつも渋滞です。 そこでフリーウェイの上に
さらに道を作ってコミュター・レーンという2人以上乗っている車専用レーンにしたのですが
これも事故が起こればたちまち渋滞。

 人口が恐ろしい程に増え、それにつれて車が増えて道路がパンクしてしまったのです。 
そして、それは鉄道を作らなかったことが原因のひとつと言われています。 その鉄道を
作らなかったのは、何と自動車会社と石油会社が妨害したためと言われています。
 これらの会社はご存知の通り、アメリカのトップ企業であり、鉄道を作れば自分の
売り上げが減るのでそれを阻止したのです。 しかし、結果として市の機能が一部麻痺する
ほどの問題となってきてあわてて路面電車を作ったりし始めましたが手遅れ状態です。

 その点、サンフランシスコは賢明にも40年前に地下鉄を作り、道路の渋滞はロスとは
比較にならないくらい少ない状態です。

 我々の住んでいるあたりも交通手段は車によるものとして設計されているので、
自動車なしで生活するのは困難です。 地下鉄があるので時折使うようになりましたが、
駅までは車で行って駅の駐車場にとめることになります。 その駅までのバスもできましたが、
1時間に1本で使ったことはありません。 
要するに、システムとして車中心に作られているのです。

 従って、我々も毎日車に乗って買い物に行ったり医者のところに行ったりボーリングに
行ったりします。 我が家には車が2台、トヨタとホンダです。  ここへ来た頃は日本車は
ほとんどありませんでしたからアメ車でシボレーが最初の車でした。 その後数えたら
10台の車に乗りました。 3台目位までがアメ車でそのあと日本車になりました。

 ここでは16歳で運転免許が取れるので高校生は車で学校に行く子もいます。 
我が家ではスクールバスで通学しましたのでそれはありませんでしたが息子は16歳で
免許を取り中古ですが車を与えました。 娘も車を持っていましたので家族4人で
4台の車がありました。 一時は古い車をしばらくおいていたので5台の車を
持っていたこともあります。

 最初の頃ここで走っていた日本車はダットサンの240Z、即ちフェアーレデイーZ
だけでした。 その後、トヨタが走り出しマツダやニッサン、スバル、三菱、ダイハツも
加わって現在このあたりでは40%位が日本車のような気がします。 
これは最初にここに来た時から思えば信じられないことです。 アメリカは
ヘンリー・フォードがアッセンブリー・ラインでの大量生産を始めてから長年車を
作り続けてきた歴史と技術があり、50年前の自動車の品質は日本のものとは
大きな差があったのが今や逆転して日本車の方が優れているという評判に
なっています。

 車で思い出すのはここへ来てすぐに運転免許を取った時のこと。
まず、筆記試験を受けて合格すれば実技試験となります。 筆記試験は◯X(まるばつ)
方式ですが質問の数が多いのと文章が英語でそれも引っ掛ける様な書き方を
しているのでかなり難しいものでした。ただ、会社の駐在員が過去の試験問題の
コピーを持っていて、それを勉強したあとで受けたので合格でした。 次の実技は
自分で車を持っていって、それに試験官が乗り込んで町を走るものです。
自分では運転してもっていけませんから他の人に運転してもらって行きました。

 日本で何年か運転していましたので簡単に受かると思っていたら落とされました。 
それも、運転技術で落とされたのではなく言葉のことで落とされました。 
通りを走ったあと住宅地に入って試験官が車の方向を反対にかえなさいといったのです。 
私にはどうするのか理解出来なかったのでどういう意味でしょうかと聞いたら、同じく
車の方向を反対にかえなさいと繰り返すのです。 しかたなく、これは U ターンしろと
いっているのかなあと思い、U ターンしましたが向こうはもういい、スタート地点に
戻れと言い、試験には落ちたと言うのです。 要するに、この試験官はなぜか U ターン
という言葉は使わないのです。 で、私は車の方向をかえるという言葉を理解出来なく
試験官の指示に従えなかったという理由で試験に通らなかったようです。ただし、
車を降りようとしたら、試験官はあなたは仕事で車を運転するのかと聞くので
もちろんというと、では運転許可証をあげるから運転はして良いがもう一度実地試験を
受けて免許証を貰うようにと言うのです。

 数日後の再試験では全く問題なくパス。  あとできいたら、実地試験を受けた所には
一人意地の悪い試験官がいて時々人を落とすそうな。 その意地悪試験官にあたった
ものの様です。 ただ、ここらしいのは免許を持っていないと仕事も生活も出来ないので
運転許可証はすぐにくれるということです。車社会であることの一端を示しています。

 ここでは運転を習うのは高校で自動車運転のクラスがありますし、免許を持った親が
隣に座って街の道で教えることが許されていますし、ドライビング・スクールで習うことも
できます。これは日本の教習所とは異なり、スチューデント・ドライバーと書かれた車を使い、
指導員が運転者の隣に座り街中をいきなり運転させます。

 今は充電して走る電気自動車が増えてきたこととこれからは自動運転になるというのが
もっぱらの話題になっています。 ともかく、ここは全くの車社会です。

つづく