2style.net

                          地球温暖化−熱電併給


                                        投稿者:風鈴  投稿日:2009年10月19日(月)
  	

  世界のガス放出量削減で国際間の協力も進まず、近い将来に温室効果ガス放出が減る理由は見えませんが、
  小さいながら、あちらこちらで新しい開発が進められているようで、これもその一つになるみたいです。

  熱電併給は「コジェネレーション (cogeneration)」と呼ばれていて、火力発電と同じと言えます。
 現在ある多くの火力発電は水を石油・石炭で水を加熱して水蒸気でタービンを回して発電しますが、
 熱電併給は天然ガスで加熱します。

 1−2ヶ月くらい前のニュースで
 「丸紅がタイ国営石油PTTのグループ企業から天然ガス利用のコジェネレーション発電設備を納入の受注。
 受注額は1億2400万ドル(約112億円)。タイ中部ラヨン県にある東南アジア最大の石油化学プラントなどに
 電気と蒸気を供給する発電施設。6機合計で最大出力が計22万キロワットの設備を2011年5月までに完成させる」
 とありました。
 丸紅には良いニュースですが、この約112億円は排気量取引の一角みたいで、一部の資金が間接的に日本企業から、
 つまり皆さんの財布から出ているので決して「日本の儲け」ではありません。これは又あとで取引について
 話しましょう。

 別のドイツのオンラインの記事ですが、ドイツの小さい発電会社、Lichtblick(リッシブリック「明るいスポット」
という意味)が車の大会社フォークスワゲンと手を組んで、小型コジェネレーション発電機の大量生産をするそうで、
下のリンクで御覧下さい。
 写真と画像は、その発電機と沢山の発電機を結ぶネットワーク(グリッド)を説明する原理図です。
 http://www.spiegel.de/international/business/0,1518,647435,00.html
 多く設備すれば2000メガワットの発電量で2基の原子力発電機に相当するとは魅力があります。

 フォークスワゲンのゴルフの一部は液体ガスが燃料ですが、それに使われている小さな発電機の効率が94%くらいで、
 原子力発電の普通の効率は30−40%、最新の石炭や石油の火力発電が40−60%なので凄く高い効率になります。
 フォークスワゲンとリッシブリックはその技術を使い高性能発電機を大量生産して、欧米の家には地下室がありますが、
 多くの家の地下室にその発電機を備えつける計画で、仮にも効率が30%以上飛躍としても素晴らしい企画と
 言えるでしょう。

 欧米の家は家全体を暖めるセントラル・ヒーティングでファーネス(furnace, 暖房炉)が、ほとんど地下室にあり、
50年位前は、石炭・石油燃料でしたが、多くは天然ガスになりました。この発電機は大きな湯沸し器に似ていて、
ガス加熱水蒸気で発電し、その熱湯で家を暖房して、直接お湯にも使えるので効率が高く、電気代も払わなくて良いし、
日本の太陽電池から残りの電力を電力会社に売るのと同じように、余計な電気は電力会社に売り、設備を入れた家には
収入がありえるとは魅力があります。

 天然ガスも化石燃料ですが、簡単に言えばエネルギー変換効率が50%高い方法だと、使う燃料も放出ガスも半分に
 なります。
 日本の住宅には向いてませんが、沢山の大きな建物、マンション・高層・公共ビルなどに効率高い自家発電機があると
 効率の低い石炭・石油を使った大量CO2放出の火力発電所を閉鎖出来て、同時に燃料使用効率も高くなりそうです。

 地熱発電所は地核の安定性が問題みたいですが、これだと大きな設備は要らなくて、すでに熱湯がある温泉町が
この発電機を設備すると、より効率が高くなり、年中静かな電力発電町にもなり、収入が増えるのでは地元の人も
反対出来ないでしょう。などと勝手に夢みたいな話ですが、政府が多額な交付金で誤魔化して原子力発電所を
建てるより余程良い方法だと思えます。

 電力会社は会社の利益を失う可能性ありで大反対するでしょうが、それは政府のエネルギー政策次第になるでしょう。
 ヨーロッパと日本の違いは、日本人は「お上」に任せ頼る傾向、ヨーロッパ人は政府など頼りにならん、と何でも
良さそうな解決策を、政府とは関係なく個人で歓迎する傾向があること、ではないでしょうか。
そこでこのフォークスワゲンの企画は成功しそうですが、技術面ではトヨタ、ホンダ、日産、三菱も作製出来ても、
日本で広く使用されるかどうかは残念ながら確信ありません。