地球温暖化ー熱電供給(2) 投稿者:風鈴 投稿日:2009年10月20日(火) 沼南ボーイさんへのお答えになりますが、引用文献が参考になるとのお言葉、どうも有難う御座います。 関西のヒマジンさんから花や植物の名前を学んだり、ひまじんさんのクイズに頭捻ったり、 沼南ボーイさんから知らなかった難しい言葉など、こちらこそ皆さんから色々と勉強させて頂いてます。 この前のトトシカーナさんの墓参りは、友情がこもった暖かい文で、良い意味での沈黙ムードに浸りました。 SPIEGEL International の記事でフォークスワゲンのミニ熱力発電所(Volkswagen mini thermal powerplant)の 効率が94%は、仰るように熱機関の変換効率としては全く驚異的で、私もそれ以上の詳細は記事から何も 読めません。 Volkswagen engineers have long suspected that the mini thermal stations could prove incredibly promising. (フォークスワゲンのエンジニアは長い間、このミニ熱変換機が信じられないくらいの将来性があるのではないか、 と思ってた)とありましたので私も想像を逞しくしてみました。多分、普通の熱変換効率と定義を使っているのだろう と憶測です。 下の画像は他の方にも興味あるかもしれないと思い、探し出しました。 ウィキペディアの「コンバインドサイクル発電」http://en.wikipedia.org/wiki/Combined_cycle で これには日本語版もありますので御覧下さい。 これは火力発電の効率が一番高いコンバインドサイクル発電方式の原理図で、先ず下のガスタービンで発電して 冷却水が熱湯になり、その蒸気を使い再び発電するので効率が高く、現在の最高効率が60%みたいです。 見ていると、そのまま天然ガスで走るゴルフのエンジンが想像されます。タービン・エンジンを車の動力に使い、 ラジエーターの水を水蒸気にして車の電気に変換という具合に。この過程でフォークスワゲンのエンジニアが 効率向上を研究していたようで、この発電機が実際にミニ・ガスタービンを使っているかどうかは、 限られた想像ですが、どうやら使ってあるみたいです。 そこで、このような発電だけの使用では ガス燃焼エネルギー ⇒ 電力発電 =60%効率 フォークスワゲンのミニ熱力発電所は普通の発電機に比べ小さいので熱損失が少なく効率はもっと高いかも しれません。 フォークスワゲンの素晴らしいアイデアは、この熱湯を「暖房とお湯」に使用する、でしょう。 そこで、熱湯を入れると ガス燃焼エネルギー ⇒ 電力発電 + 熱湯のポテンシャル・エネルギー =combined 94%効率 みたいです。 これは、あくまでも素人の想像に過ぎませんが「実験室での最高の94%」は可能であろうと思えます。 実際は熱湯のポテンシャル・エネルギーが家屋の既成暖房配管などで熱の損失が有り、効率もガックリと 落ちるでしょうが、電力+暖房+お湯の全部に使える小型の機械が、未だ何処にも無いだけに将来性が 期待出来ます。 お湯が要る所は人間がいるところ、そこでフォークスワゲンが家屋に目をつけ、お陰で温泉町も出てきました。 又ウィキペディアの http://en.wikipedia.org/wiki/Cogeneration でエディソン発電がマンハッタンの 10万の建物を暖房しているとあり、長い間、発電と暖房用に使われてましたが、発電と熱を合わせた CHP(combined heat and power)の効率は89%になりうるともあり、フォークスワゲンは「お湯」の部分が あるからでしょか、それ以上を達したようです。 フォークスワゲンとリヒトブリック(面白いのは「ヒト」は聞こえなく何度聞いても「リッシブリック」に 聞こえます)のアイデアは地下を掘ったりの高価な工事も要らず、既成の暖房システムを利用して、外部の コンピューターで制御するので、沢山のホーム・オーナーにとっても受け入れ易いでしょう。 無論個人で何らかのオーバーライドもないと困ります。 両社が賢明なのは、消費者への変換費用が全部含めて€5000ユーロ、米ドルに換算で$7500、 発電機製造価格は2倍以上かかるらしく最初は損しますが、長期間への凄い金額を「自国内へ投資」している とは立派で羨ましいですね。 参考までですが、新しいガス・ファーネス(暖房炉)が$3000−$5000、ホットウォーター・タンク (大きい湯沸し器)が$1000くらいで、別々にガスを使い、これは電気まで発電して、消費者は発電機の ガス代だけを払うとは魅力があります。 電気代払わなくて良いのです!大会社がリスクを取り、消費者も長期的に節約出来るのでは、飛びつき易いのです。 日本では「電力会社と資源エネルギー庁の官僚が相互援助の協力をして」政府のエネルギー政策の一部には なりません、なんての発言は・・・この前の女性のヘルメットになります。