地球温暖化−再生可能エネルギー(1) 投稿者:風鈴 投稿日:2009年10月28日(水) 下の最初のグラフはエネルギー総合工学研究所のエネルギー講座からです。 「日本は世界の約5%(2005年)を消費するエネルギー消費大国である」とありました。 このエネルギー消費量5%は、最初に世界のCO2放出国で日本が5番目で4.6%とありましたが、 同じような比率は偶然ではなさそうです。 この講座の詳細は http://www.iae.or.jp/energyinfo/energydata/data1002.html を御覧下さい。 このグラフを見て言えることは、 化石燃料で ●石油は過去30年間大して増加していなく、全体からの比率は減っていても現在約50% ●石炭は序々に増えている ●天然ガスは過去20年の増加率は高い ●原子力は過去10年間増えてない 再生可能エネルギーは全体の5%以下? ●水力は過去40年増えていない ●新エネルギーは急増加中でも未だ比率が低くて顕著でない 2006年度の世界の総エネルギー消費の18%は再生可能エネルギーとかで、日本はずっと少ないようです。 どうしてでしょうか。「日本は狭い国で資源が限られているから」が典型的な答えでしょうが、 「石油、石炭、ガスを外国から買った方が簡単で安くついたし余計な投資しなくて良いから」が 近視的な大会社の理由で、特に「電力会社は外国と競争する必要がない」ので、斬新な改革が欠けている のではないでしょうか。 これは全く知識なしの人の朧月夜の憶測でしかありませんが、時には何も知らない方が良し悪しも 見えるものです。 次のグラフは産業技術総合研究所の再生可能エネルギーと枯渇性(化石燃料)エネルギーの経済面比較で、 http://unit.aist.go.jp/rcpv/ci/about_pv/e_source/RE-energypayback.html からです。 左は「エネルギーペイバックタイム(Energy Payback Time, EPT)」で「ライフサイクル中に投入されるのと 同じだけのエネルギーを、発電によって節約できるまでに必要な稼働期間を表します」との説明で 設備に投入されるエネルギーを取り戻すのにかかる時間と解釈できるでしょう。 右は「エネルギー収支比(Energy Payback Ratio, EPR)」で「ライフサイクル中に投入されるエネルギーに対する、 発電によって節約できるエネルギーの倍率を表します」の説明は、設備投資から取り戻せる投資額の倍率と 解釈しましょう。 左が短くて右が長いほど経済的だといえます。 このグラフでは再生可能エネルギーの中で水力と風力が一番良さそうです。次が地熱と太陽電池、 太陽温水器とかで、疑問は海洋温度差と波力で投資エネルギーを取り戻すのに長くかかり、発電可能な エネルギー総量も低いみたいです。 化石燃料は一度燃焼したら、それで終わり、それ以上の見返りがありません。 原子力はそう悪くありませんが、地震や誤作動から起きる事故が恐ろしく、それに放射性廃棄物処理が 大問題です。 それに安全操作への経常費が大きくて、佐賀で問題のプルサーマルは長期的にも経済的にも賢い事業だと言えません。 又「どうして再生可能エネルギーへの投資が少なかったか」の疑問になりますが、結局は自主性がない政治では ないでしょうか。 自民党政権が長すぎて「馴れ合い」の政策で、問題が無ければ官僚推薦の現状維持で革新なしの時代が続いたとか、 「国際競争で生き延びる必要がない官僚」が国策の骨組みをするのでは、民間ばかり努力しても取り残されるでしょう。 指導者であるべき政治家が追従者でしかなかったのか?そういう意味で政権交代は「あるべきであった」となります。 この観点だけからみると「八ッ場ダム建設中止」は25%削減公約に反作用です。計画時点から50年以上かかり 現在の情況になり、水力発電は再生可能エネルギー源でも一番有効で、日本の水力発電量は40年間全然増えてません。 建設工事費用が来年予算に入らないとのことですが、これまで余りにも無駄な費用を使い過ぎました。 前原国土交通大臣が建設中止について、下流域の6知事と会合で、ダムに頼らない治水のあり方を検討するとの 説明でしたが、再生可能エネルギー源を増加する意味で、違った方式でも発電所を建設した方が良さそうですが、 東京を含む下流都市への給水とか洪水予防も絡まり、いくら専門家が調査しても全部の人を満足させる結論は 出ないでしょう。 一番困っている人達は地元の人で観光・温泉客も減り、長い間宙に浮かされた状態で今後の生活計画も立たないのは、 十二分に考慮されるべきで、政党に関係なく、政府の都合が良い時だけ、他の地方に賄賂みたいな交付金を払い 原子力発電所を建てるのでは、長野原町周辺の人々に不公平と言えます。