地球温暖化−再生可能エネルギー(7) 投稿者:風鈴 投稿日:2009年11月14日(土) これは前回のSPIEGEL Internationalの記事 http://www.spiegel.de/international/business/0,1518,655107,00.html の続きです。 今回は風力と太陽発電が課題で、 ●ドイツのエネルギー会社3社が北海の海上に建てた風力発電が9月に運転開始で、将来は更に拡張と決められた。 ●ドイツの大会社 Munich Re, Siemens, Deutsche Bank, E.on and RWE が協同してDesertecの企画名前で サハラ砂漠に大規模な太陽熱集中発電所を建設してヨーロッパ、中東、北アフリカに電力を供給を計画中。 下の最初の写真はドイツの3社が協同で北海の海上に建て、すでに発電開始したジャイアント風車です。 詳しい記事は http://www.spiegel.de/international/germany/0,1518,642243,00.html を御覧下さい。 海面から100メートルの高さで風車の直径が116メートル、一つの風車タービンが1年に5メガワット (5千キロワット)の電力発電、建設中の9基が今年中に完了すると合計で5万の家屋への発電が出来、 将来の目標はこのような風車を2千基建てて、原子力発電10基に相当する1万メガワット発電で、1千万の家屋へ 電力をもたらすとかです。 日本の経済産業省の風力発電の設置条件で、高圧送電線が近くに必要とかありましたが、そんな女々しい事 言ってません。 北海とバルチック海に建てる風車から何百キロの海底ケーブルを引き、想像に過ぎませんが、このケーブルだけでも 東京から青森以上の長さでしょう。北海の気候は台風より厳しくて、今年は特に気候が悪く€1億9千万の予算が 実際には€2億5千万にもなりましたが、第一段階の建設が終わりそうです。 次の画像はドイツの銀行と多くの大手電力会社が協同で数年前から企画しているDesertecの地図です。 http://www.spiegel.de/international/business/0,1518,630699,00.html からのコピーです。 再生エネルギー総合計画の地図ですが、サハラ砂漠に大規模な太陽熱集中発電所を建設して EUMENA(Europe-Middle East-North Africa)の名前でヨーロッパ、中東、北アフリカへ給電する計画です。 太陽熱集中発電(CSP, Concentrating Solar Power)の作動原理は易しく、 子供の時に、太陽の光を虫めがね通して、焦点で紙を焼いて穴を作ったりしましたが、同じ原理です。 太陽光線を円形の鏡で反射して自動的に鏡を動かして焦点を固定し、線状の焦点に置かれたパイプを熱くして、 パイプに塩水(解けた塩)を流し蒸気にして発電する方法です。この記事に沢山の写真がありますので御覧下さい。 熱い塩液体をタンクに貯めて、太陽がない夜でも発電出来るなんて知りませんでした。 この地図の緑の部分、ヨーロッパは太陽光線が弱く、黄色の部分の北アフリカは太陽が強くて砂漠が多い、 何にも使えない砂漠を活用するとは、他にアメリカのネヴァダ砂漠発電があるくらいで、まー何と簡単な、 しかし素晴らしいアイディアですね。 地図のアルジェリア辺に大きい褐色の四角がありますが、この大きさの面積に熱集中発電の鏡を置いたら、 2005年に世界中が使った電力を発電出来る、とはビックリ仰天です。 サハラ砂漠は紅海から大西洋まで広がっていて、ほとんどの部分は何がある訳でもなく、モーリタニア、モロッコ、 アルジェリア、リビア、エジプト、スーダンの国々も電力が増えるので文句も言えなく、このくらいの面積は 楽でしょう。実際の発電所計画地は、オレンジ色の反射鏡で示されているように都市に近い海岸沿いが 多いみたいです。この企画は€4000億ユーロの費用で実現すると全ヨーロッパと北アフリカの総電力の15%を 供給出来るとかです。 このようにドイツの将来の計画をみると、「日本の取り組みは気合が入ってない」のは不安になります。 感心するのは再生エネルギーを10年後に20%以上にする強い「やる気」があり、ありえる可能性を 国境を越えて探して実行に移していることです。ロンメル将軍の子孫達には再び平和的エネルギーで 北アフリカ砂漠を征服とは楽しいでしょう。