2style.net


              地球温暖化−日本の政治と産業界(2)


                      投稿者:風鈴  投稿日:2009年11月20日(金


 11月に咲く花も美しくて、ヤツデにこんな豪華な花が咲くとは知りませんでした。

 『日本では「省エネ」が強調されていて消費者が重荷を背負っていますが、膨大な無駄は電力産業界と組織に
 あります』と何回も言ってますが、一人だけの意見では救い難いので、興味ある情報を紹介しましょう。

 Energy Intensity という言葉が経済学で使われているようです。「ようです」は経済学も何も知らないので
 そうなります。
 「エネルギ−の密度」とかになるでしょうか、これは各国の総エネルギー使用量をGDP(国民総生産高)で
 割った指数で、他国と比較して、1ドルを生産するのに、どの位エネルギーを使っているかの様子が分り、
 この指数が小さいほど国のエネルギー能率が良い生産となります。

 その Energy Intensity が最初のグラフで http://en.wikipedia.org/wiki/Energy_intensity からです。
 日本はドイツ、イギリスと同じくらい能率が良い方で、ノルウェーが一番能率が悪いのは、
 寒い国であるより、ノルウェーは100%近くの水力発電、世界も3−4番目くらいの石油輸出国で
 「省エネ」しなくても良いのです。
 インドが低いのは、未だ水道も家電製品がない、生活基準が低い人口が大多数なので、この指数も
 低いのでしょう。

 その次のグラフが総合的な状態を示していて、縦の目盛りが一人当たりの生産高(収入とも言えます)で、
 横の目盛りがエネルギー使用能率(100万Btuエネルギーで幾ら生産しているか)で世界の国々を点で示してあり、
 日本は赤い矢印の下でイギリス、ドイツ、フランス、イタリアと同じくらいです。
 GDP が高い国で能率が高いのがホンコン、スイス、オーストリアの小さい面積の国で交通に使うエネルギーが
 少ないからでしょうか、一番悪いのはカナダです。

 そこで「省エネ」になりますが、日本は人口と通勤距離など考えると、皆が良くやっている方で、
 それに家庭で出来る「省エネ」の総量は極小さいものです。そこで政府が「省エネ対策」など言うと
 「なんでぇ、そうアホウいうねん」になります。
 問題解決するのに一番大きい原因を見ないで、部屋の隅で小さい問題の解決策を国民に押し付けているからです。

 その次の表は国際エネルギー機関からの1999年の統計で世界各国の電気代を示していて、
 右側が家庭用電気代で、日本の1キロワット1時間使用料金がドル計算で24セント、世界一断然高いのです。
 これは古い情報なので今日の計算には使えませんが、他国と比較の割合は今でも変わってないでしょう。
 原子力発電が79%のフランスが12セント、日本と同じく原子力発電30%のドイツが15セント、
 これは温室効果ガス取引以前のデータなので、日本は取引料も払い、1999年より電気料もずっと上がっていて、
 他国と比べ、比率でも日本の電気料はもっと高くなってるはずです。

 ガスと石炭の値段は世界中同じようなもので、フランス、ドイツに比べ、「政府の電力経営が如何に不能力か」
 を示し、その不能力さに、皆さんは毎日毎日高い電気料を払い続けています。そこで皆さんが省エネすると、
 電力会社の総収入が減り、能率悪い経常費は同じで、又電気料を上げる、という組織の貧弱さです。
 
 いわばエネルギーの使用能率なんかどうでも良くて、能率が悪いカナダの4倍の電気料、今年は5倍でも
 驚きではありません。
 資源がないイタリア、フランス、スイスの約2倍、政府のエネルギー政策は、これらの国に比べて50%の能率
 (能力)しか無い、と言えます。ひどい酷評ですが、電気料金を見ると、他の何の言い訳があるでしょうか。
 この政府の能率悪さのお陰で、皆さんは物凄い金額を電気料の名目で政府と電力会社へ献金しています。

 これで「一人だけの意見で」でなくて「二人くらいの意見」になったかもしれません。

 これからの地球温暖化シリーズの課題は「原子力発電」になりますので、次回から暫く「万華鏡」に持って行き、
 あちらで放射線をばら撒き、益々悪評を招きますが、成否はともあれ、一人でも同意する人があったら
 良いでしょう。
 「原子力発電」の後で「排気量取引」で戻ってきますので、皆さんが安堵の溜息をつくには早すぎる、
 とお伝え致します