地球温暖化−将来への対策(16) 投稿者:風鈴 投稿日:2010年 3月15日(月) C) ブラジルの電力発電 1 消費電力の83%を占める強力な水力発電があるので満足して良さそうですが、雨が降らない年や時期が あるので、その不安定さと克服すること、それに伸び続けている将来への需要に応えられるように、 水力発電の大規模な拡張、現在2基の原子力発電に加え新しくと2基建設の計画もあり、以前に述べた 国連のCDMの企画も沢山ありますが、『風力発電の増加』と『エタノール燃料でタービン発電開発中』 の方が面白いと思えました。 昨年末に世界中の国が国連のCOP15会議で揉めていた最中に、ブラジルの National Electric Energy Agency (ANEEL、ブラジル・エネルギー機関) は1800メガワットの風力発電建設を国際市場へ auction (競り売り)していました。 皆が国連会議で結論が出ない論争している時に、ブラジルは計画実行しているのですから憎らしいくらい 賢明です。 ウィキベディア http://en.wikipedia.org/wiki/Electricity_sector_in_Brazil によると 原子力発電2基は2007メガワット発電で、1800メガワットの風力発電は小さい原子力発電2基と 同じ位になります。 現在の風力発電総電力は602メガワットで、数年間で今の3倍にするのは大仕事でしょう。 輸入している電力が5850メガワット、総電力の5.7%なので、電力増加の必要があるとも言えます。 このANEELのNelson Hübner理事(ネルソン・ユーブネル?英語読みではヒューブナー)が書いた記事が ありました。 http://www.renewableenergyworld.com/rea/news/article/2009/12/brazils-wind-power-auction-spurs- more-clean-energy-development ブラジルのエネルギー機関を代表する人なので、ある程度の宣伝は入りますが要約すると、 *1800メガワットは71箇所の発電所になり、2012年7月から電力供給を始める *風力発電は1990年以来世界27%で増加して、ブラジルも国際的なへの動きの一部となる *最初の風車タービンは1992年に Fernando de Noronha Archipelago に建てられた (これは北東のぺルナンブコ、Pernambuco州の海岸でRio Grande do Norte州に近い所) *10年後にProinfa、Program for Incentive of Alternative Electric Energy Sources 計画を設定し 風力発電、バイオマス、小さい水力発電所を奨励し補助した。そのような発電所がブラジル代表の 旗艦である。 *Proinfaの開始以来、風力発電は2003年までに22メガワットになり、2009年には602 メガワット、現在10の計画で建設中が256.4メガワット、それに45の計画で合計2139.7 メガワット建設が承認されている。 *風力発電は温室効果ガスを出さないし国内の仕事を増やし、研究所によると将来の可能性は14.5万 メガワットある。 (日本の総電力消費が1時間に11.8万メガワットですので14.5万メガワットは唯可能性があると いうだけです) このように風力発電の拡張についてですが、競り売りで限定している値段で建設のコストの見当がつきます。 風力発電の競り売り最高額は1メガワットアワーにつきR$189(ブラジルの通貨単位レアルですが実際 にはヘアウと発音され、複数は「ヘアイス」、1ヘアウは約US55セントで約50円、とありました)。 競売の条件は皆目分りませんが、1メガワットアワーとは1メガワットを1時間使う電力で、建設ばかりで なく運営権まで売っているみたいです。円に換算すると1メガワットアワーで約9450円、これが 電力会社に魅力あるかは分りません。 価格の比較ですが、2008年に競売したマデイラ川発電所(Madeira River Hydroelectricity Complex) の最高額が91ヘアイスが交渉で71.4へアイス、2007年には最高が122ヘアイスで78.9 へアイスで落札され、2009年からのバガス(サトウキビの捨てがら)や萱を燃料でのバイオマス発電は 31の発電所で2379メガワットが1メガワットにつき15年間契約で平均が58.84へアイスで 競り売りされた、とあります。 この例で行くと風力発電建設は水力発電より高いことになります。ドイツが北海に大規模に建設中の風車は 海上なので建設に余計な費用がかかりますが、現在ブラジルの風車発電所(Windfarm/Plant)は全部陸上に あるみたいです。 それでも価格が高いのは、水力発電みたいに大きな発電機を運転出来ないので、全部の風車電力をまとめる 技術に金がかかると推測します。下の写真は最南端のRio Grande do Sul州にあるwindfarm(風車農園?)で ドイツの北海の風車より小さくて、アメリカ製みたいで1基の発電力も小さいようです。 今年1月20日にブラジル政府は風力発電にかかる加工税の免除(value added tax、ICMS exemption)が 今年1月に終わる予定だったのですが、これからも続行すると発表しました。 http://www.bnamericas.com/news/electricpower/Wind_industry_welcomes_tax_exemption 風車タービンのコストが風力発電所の70%で、その加工税が免除になるので業者に楽になるそうです。 ブラジルは、このような大計画を再三競売にしているようで、リオとサンパウロ間、518キロを結ぶ ブラジルの新幹線建設も競り売りで日本の会社も参加ですが、中国が熱心に勝ち取ろうとしている 様子です。 建築見積もりが約90億ドル、建築コストの30%を乗車切符から払うので暫く全額は戻って来ません。 今未だ正式な競売が始まってないので、オリンピックには間に合わないとかです。下の地図はこの計画で http://en.wikipedia.org/wiki/Planned_high-speed_rail_by_country からコピーしました。