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                           地球温暖化−東京都庁のFOLLIES
 
                                                    投稿者:風鈴  投稿日:2010年 4月 1日(木)
  	
  4月1日の毎日JP、毎日新聞ニュース 
   http://mainichi.jp/select/science/news/20100401k0000e040025000c.html
  にこのような記事がありました。

 『温暖化対策:東京都が事業所にCO2排出総量削減義務付け』

 東京都は1日、都内の大規模事業所を対象に二酸化炭素(CO2)の排出総量削減を義務付け、
 事業所間の排出量取引を認める「キャップ・アンド・トレード」制度をスタートさせた。
 工場だけでなくオフィスビルなども対象とする排出規制は、英国が同日から試行する以外は例がなく、
  義務を守らなければ事業所名公表や50万円以下の罰金などの罰則が科せられる。
 国内の地球温暖化対策を「努力」から「義務」へ踏み込ませる契機になりそうだ。

 電気や燃料の使用量が原油換算で年間1500キロリットル以上の約1400事業所が対象。ホテル、
  病院、官公庁なども含まれる。事業所ごとの02〜07年度の任意の連続3年間の平均排出量を
 「基準排出量」とし、そこから削減義務率を割り引いた排出量上限(キャップ)までの削減が求められる。
  削減義務率は10年度開始の第1計画期間(5年間)では、事業所の分類により6%か8%。
  期間終了の翌年度に結果をまとめる。

 削減状況は都登録の28の民間機関が検証する。達成できなかった事業所は、義務分より多く削減した他の
  事業所などとの間で削減量の枠を売買(トレード)しなければならない。
 都は「20年までに東京の温室効果ガス排出量を00年比25%削減する」との目標を掲げている。【真野森作】

  呆れかえって物も言えません。如何に都庁が時間が余りすぎて無駄なことをやってるか、あまり下品な言葉で
  非難するのも気が引けて folly (frollies)、阿呆な芝居と呼ぶことにしました。
  思考に欠ける都知事さんの案ではないかと思えます。

  これは決してCO2排出量を削減しようとの意図に対しての非難でありませんが、手段の取り方が全く誤っています。
  何百という「CO2の排出量削減しろ!」との看板(条例)立てても、それをどうして可能にするかの先導、指導、
  援助がないと出来るものではありません。都にその専門家がいて、余計にかかる費用の資金を出すのでしょうか。
  そうではないでしょう。
  荷馬車を作って「運べ!」と言っても馬がいません。そこで frollies でしかないのです。

  埼玉、千葉では、このような義務がないので、東京の約1400事業所、ホテル、病院にとって不平等です。
  地方税の差があるのは当然ですが、一個人と同じように国内の全部の法人、会社にも同じ権利と義務があるべきで、
  都内だけに余計な義務があるとは道理が通りませんが、この辺は専門家トトシカーナさんにお任せしましょう。

  次に削減義務の多重化です。国が「地球温暖化対策基本法案」の草案を検討中ですが、もし地方条例が必要とあらば
  国の法案の枠内であるべきで、各県や都市が別々の条例を出すのは全く意味がありません。
  東京都がやってるのは、正にその意味がない条例を出し、国と関係なく義務を一方的に押し付けているのです。

  「事業所名公表や50万円以下の罰金などの罰則が科せられる」とありますが、事業所名公表は良いとして、
  罰金は何処に行くのでしょうか。問題のある事業所の問題解決に使われるのが義務、なら良いのですが都の財源になる
  のだったら、CO2排出削減に微々たりとも貢献しません。

  このような小規模での取引は、事務と監査の仕事、つまりお役所仕事を増やすだけで、事実上のCO2排出削減に
  余計にかかる費用を全て民間に持たせ、規模が小さいだけに日本のCO2排出総量削減にも関係なしです。

  関連した話題で、約一年前にヨーロッパの350の都市の市長が集まり、一緒にCO2排出削減に協力しようなり、
  The Covenant of Mayors、市長の誓約に署名しました。何百人の市長が集まって何と誓約しようとも、
  「自分達の名前を売り、良い気分に浸る」以外は何も効果ありません、但し彼等が誓約したのは、ヨーロッパ連合の
  2020年まで20%削減目標、それに欧州委員会と協力するとなったので意義がある誓約となったと、
  ここにあります。
  http://www.climaticoanalysis.org/post/climate-policy-goes-urban-european-cities-sign-climate-covenant/ 

  この誓約 http://www.eumayors.eu/mm/staging/library/com_brochure.pdf には何%の削減とかありません。
  何処の市にしろ良い計画があれば、金融、資金面でお互いに協力し、
  *再生可能エネルギーを増やす
  *エネルギー源を多様化する
  *エネルギー効率を上げ、再生可能エネルギーを運送用に使う
  これらを可能にする為にヨーロッパ委員会から1、500ユーロ、€10.5 millionの資金が提案された、とのことです。

  ヨーロッパでやってるのは、連合委員会が350の市長に「馬の金を出し、他の援助もするのでやって下さい」と
  言ってます。
  東京では政治家が良い気分に浸る為に「荷馬車作ったからお前達が引っ張れ」と言ってます。
  このような理不尽さを、To put a cart ahead of a horse と言い、これが選挙で選ばれた人達から来ていると思うと、
  frollies 以上のもっと悪い言葉が自然と出てきてしまいます。