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                         地球温暖化−日本は何が出来るか (7)


                                            投稿者:風鈴  投稿日:2010年 4月 9日(金)
  	 

              外国依存 4 天然ガス

  資源エネルギー庁のサイトが http://www.enecho.meti.go.jp/energy/lng/lng01.htm で以下のようにあります。

  (1)天然ガスの供給推移
  我が国における天然ガス利用は、液化天然ガス(LNG)の導入以前においては、国産天然ガス生産地の周辺
  のみであり、我が国の一次エネルギー総供給に占める割合は約 1%に過ぎなかった。我が国のLNG輸入については、
  1969年アメリカ(アラスカ)からの導入を皮切りに、1972年ブルネイ、1977年UAE(アブダビ)、インドネシア、
  1982年マレーシア、1989年オーストラリア、1997年カタール、そして2000年からはオマーンからの輸入が開始され、
  1999年度では、天然ガスは我が国の一次エネルギー総供給の約13%を占めるに至っている。

  また、天然ガスの供給における輸入の割合は、石油と同様に極めて高く、約97%であり全量がLNGで供給されている。
  我が国に対するLNGの供給元は、インドネシア、マレーシア、オーストラリア等のアジア・太平洋地域からの輸入が
  その大分(80%)を占めている。

  なお、天然ガスは火力発電向けの需要の他、都市ガスの原料として利用されている。2001年3月現在、
  一般ガス事業者は238事業者、そのうち、天然ガス導入事業者は133事業者、原料に占める天然ガスの割合は
  全国合計で87.2%に達しているところである。現在、中堅の地方都市ガス事業者は、天然ガス化のためのLNG基地等
  供給基盤を整備中であり、さらに、他の地方中小都市ガス事業者についてもIGF計画(ガス種統一計画)に沿って、
  可能な限り2010年を目標に天然ガス化を推進していくこととしている。

  下のグラフは輸入先別の推移で、少し古いので最近の総輸入量、2007年に6,682万トンを示したのが、その下です。
  輸入先は変わらず、インドネシア、マレーシア、オーストラリア、カタール、ブルネイ、その他はアラブ首長国、オマーン
  とかで、良い面は石油みたいに圧倒的に中東依存でなく、相互の取引が多い東南アジアが主要供給国であることです。
  石油はOPECもあり、イスラエルがある限り政治問題も抗争もあり、アメリカとイラン、アラブ諸国の間柄も安定していません。

  国内で天然ガスの歴史は比較的に短いので、ある意味では未だ戦国時代みたいに事業者の数も多く、
  2−3の大会社で牛耳られているより良いように思えます。再び資源エネルギー庁の情報に戻り、

  (2)今後の見通し
  今後、需要サイドの1)天然ガス火力発電向け需要の増加、2)都市ガス需要の増大及び都市ガスの天然ガス化の進展に
  伴う需要増、 3)運輸部門における天然ガス自動車の導入による需要増から、供給量が伸びることが見込まれている。
  なお、天然ガスの供給見通しについては、他のエネルギーと共に、2001年7月、総合資源エネルギー調査会総合部会、
  需給部会において報告がされたところである。

  現在の政策枠組みを維持した場合のエネルギー需給(基準ケース)は、2010年度の 1次エネルギーの総供給量を
  622原油換算百万klと見通しており、このうち天然ガスは、82原油換算百万kl(総供給量の13.2%)とし、
  また、環境保全や効率化の要請に対応しつつ、エネルギーの安定供給を実現するという、目標ケースとして見た場合、
  2010年度の1次エネルギーの総供給量は602原油換算百万kl程度となり、
  このうち天然ガスは、83原油換算百万kl程度(総供給量の14%程度)と試算されている。

  一番下の棒グラフは日本の総一次エネルギーの推移ですが、天然ガスの割合が2003年に14.3%、
  2005年に13.8%で、上記の「2010年度の1次エネルギーの総供給量は602原油換算百万kl程度となり、
  このうち天然ガスは、83原油換算百万kl程度(総供給量の14%程度)と試算されている。」はグラフと同じです。

  この棒グラフを見ていると不思議なのは、石炭輸入が増加一方だということです。値段が石油や天然ガスより安く、
  政府が民間に「石炭を輸入するな」とは言えませんが、環境省の再編成と設置は2001年です。
  1971年に発足された環境庁は、公害、環境衛生、自然・造林保護などの仕事で、地球温暖化など課題ではなかった、
  とも言えますが、1997年に国連の気候会議、COP3が開かれ京都議定書が出来、日本が1990年より6%削減すると
  誓約しました。2001年に再編成されたとは言え、それ以前の環境省は国連気候会議に十二分に参加してました。

  石炭は値段が安いから使用してますが、化石燃料の中でもCO2放出は最悪だと皆が知っています。
  それなのに石炭使用は増える一方、つまり環境省は民間へ何の先導も指導もしてない、という事なのです。
  天然ガス発電は1970年に東電が、天然ガス南横浜火力発電を始めたので、技術の問題ではありません。
  このような欠陥を指摘するのは「アラサガシ」みたいに響き良くありませんが、政治家が良く言う「官民一体」は
  「政府にとって都合が良い時だけしか出て来ない」と言わざるをえません。
 
  天然ガス使用の弱点は、歴史が長くないだけに施設の絶対数が少なくいので、施設建設に余計な費用がかかってます。
  ウィキぺディア http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E7%84%B6%E3%82%AC%E3%82%B9
  にこのようにありました。

  地下貯蔵
  天然ガスは原油と異なり、地上で大量に貯蔵するには極低温状態のLNGとする他にはあまり良い方法が無く、
  LNGでは施設や冷却の維持などにコストがかかる。このため、多くの国では一度地上に取り出した天然ガスを
  別の地下ガス層へと再び圧入する事で地下に貯蔵する方法を採用している。
  欧米では600ヶ所以上存在し、日本でも数ヶ所が稼動している。地下貯蔵に使用されるガス層にはその上部が
  キャップロックと呼ばれる浸透性の無い緻密な地層で覆われていなければならない。
  冬季の需要期に備えて、夏季に貯蔵しておいたり、パイプラインの事故に備えるなどがその目的である。

  何にしろ「地下貯蔵」が再三出て来ますが、地震が多い国では、原子力発電所からの放射線廃棄物貯蔵、
  火力発電所からの炭素ガス貯蔵など、気分が良い話ではありません。但し天然ガス貯蔵は常に出し入れがあるので、
  もし問題ありの時も早期発見出来るので、危険性は少ないとも言えるでしょう。