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                               地球温暖化−日本は何が出来るか (11)
 

                                               投稿者:風鈴  投稿日:2010年 4月18日(日)
  	同じ立場の国々 英国 3

  これはイギリス人が「将来のエネルギーについて、どう思っているか」になります。
  日本の方がもっと深刻な問題に面してますが、イギリス人の方がもっと緊急性を感じているみたいです。

  BBCの記事 http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/3035462.stm に
 「英国は多くのエネルギー源が必要だ」 とあり、以下のようになります。

 私達は2023年にどのように生活しているか考えたくもないが、政府にはその余裕はない。
  政府はこれから20年先に電灯がついているか、車が走っているかなど、今日決める政策次第であるから
 警告は真剣に取られがちである。

 土木工学協会(The Institution of Civil Engineers, ICE) は、英国は外国のエネルギー源に極度に
  依存し、80%の燃料が遠い政治不安定な国々からくるので、20年後に電力削減に面しえると言ってる。
  理想的な世界では2023年までに、ほとんどの国が風力、波力、太陽光からのエネルギーへ依存出来る
 ようになっているのだろうが。

 アメリカはそれまでに風力発電が現在の2倍になると予想されている。
 英国の太陽光会社、ソラー・センチュリー社(Solar Century)は「太陽パネルは今日使われている
  エネルギーの 一万倍を供給出来る。サハラ砂漠の一面を覆うパネルで世界総電力の需要を満たせる」と
  野望一杯である。

 2003年に政府は気候変化を起こした排気を如何にして削減するかの白書を出し、2020年までに
  20%の電力を再生可能エネルギーにすると言っていた。原子力発電は建てるべきではないが、
  絶対建てない訳ではない。

 ICEのトム・フォークス(Tom Foulkes)総理事は、英国は大きな石油田開発がある中東やアフリカから
  遠いので「何千マイルのパイプラインが機械の故障、サボタージュ、テロの攻撃なしで、英国への供給を
  保証出来るだろうか」と言ってるが、政治的に不安定な国々からの供給は英国に破滅的な脅威ではない、
  という研究者もいる。

 王立国際問題研究所(Royal Institute of International Affairs、RIIA, チャタム・ハウス)の
  ジョン・ミッチェル氏は「エネルギー保証は多様化にある。電力不足になると言うのは極端だ。これから
 5年後に、要望が高い白書にある再生可能エネルギーがどれ位可能か分かるだろう。もしそれが
 足らなかったら、原子力になるか、天然ガスか石炭を輸入することになるが、もし新しく原子力発電所を
 建てるとしても、少なくとも15年はある。天然ガス輸入にしろ、ロシア、アルジェリア、ナイジェリア、
 トリニダッド、イランなどに共通する政治問題がない、石炭にしろCO2放出問題はあるが、アメリカ、
 オーストラリア、ヴェネゼラ、コロンビアなど輸入先の選択はある」

 エネルギー分析者のスチュアート・ボイル(Stewart Boyle)氏が言うに
 「何処の国にしろ一種の燃料と少数な供給者に依存するのは危ないと言える。ICEの報告はタイミングが良く
 我々は再生可能エネルギーに集中しなければならないと言っていて、それで我々は自分達の将来を形成できる。
 忘れてならないのは、電力は我が国の総エネルギーの5分の1にもならないし、家を暖房するエネルギーも
 大切だ。」

  又別の記事ですが、『イギリスのエネルギーの将来 ー 政治・技術面から観点
  Britain’s energy future – political and technical considerations』の題で、
  エネルギー専門家でなくイギリスのケンブリッジ大学で獣医学の講師をしていたDr. Douglas Wiseが
  書いた興味ある記事が http://bravenewclimate.com/2010/03/19/britains-energy-future/ にありました。

  面白いと思ったのは、これはイギリスの話しでなく、日本の事だと思えました。
  イギリスに住んでいるので、日本について詳しくなく、多少の誤りもありますが、要約すると、

   イギリスのエネルギーの将来を政治的観点から考えると、
   1) 経済成長は安価なエネルギーがあることに依存している。
   2) 英国は間発国の中で一番負債が多く、人口密度も高い。
   3) 負債の支払いは経済成長があるか、もしくは生活標準を下げることで出来る。
   4) 過去10年にイギリスはエネルギー部門に投資しなかった。多くの発電機は古くて廃棄しなければ
     ならなくその内に電力喪失が起きて、経済へ支障なく取り替えることは不可能になるかもしれない。
   5) 現在は世界の石油生産が最高点に達したという意見が受け入れられているし、
      エネルギー投資からの見返り利息は減っているが、一方では開発国からの需要は高くなっている。
   6) イギリスはエネルギー輸入国であり、エネルギー安定性が脅かされている。
   7) 人間が化石燃料の燃焼で地球を温暖化して、CO2放出を減らさないと今世紀に上昇が止められない
     破局的な気温になると同意されている。
   8) イギリスは古い発電機を廃棄すると同時に、人口増加と需要に応えるために多分4倍の発電力が要る。

  未だ沢山の続きがありますが、次の項目の大部分は日本に、正にピッタリ当たります。
  
  11) イギリスはもう途上国と同じになった。多くの人口が食糧を輸入しないと食べれないし、燃料を輸入
     しないとエネルギーがない、ほとんどの製造工業の基盤もなくなり、金融界は混乱、社会福祉は
     依存文化、大規模な移民、規律がない教育もない下級階級の国民をを生み出した。
  12) 大多数のイギリス人は、この直面しているエネルギー危機に気ずいてなく、問題解決には極端な
     努力がいる。
  13) 国民が気ずいていないのは政治の責任である。民主主義社会で、もっと良い仕事がやれたかは議論の
     余地があるが、政治家は、政権を得るには国民が聞きたい事を言い、直ぐ有り難いと思われることを
     実行しようとしている。
  14) 解決策は国を戦争時の緊急事態に置くことにある。政党に関係ない気候・エネルギー・保安省が必要で、
      それ自体が政府にもなり得る。

  日本の事ではありませんが、多くの事項が日本にも十二分に当てはまります。
  日本が将来に面するエネルギー問題は、解決策を探すエネルギー政策を今から始めなくてはならないのですが
  果たして現在の政府がそこまで見えるでしょうか。
  将来のエネルギー問題は、普天間基地問題、選挙資金問題、日本郵政経営問題、などより格段に大切な問題
 ですが、野党も与党も「日本の将来に何が大切であるか」など考えることが出来ず、
  「国民が聞きたい事を言い、直ぐ有り難いと思われることを実行しようとしている」に過ぎません。