地球温暖化−日本は何が出来るか (12) 投稿者:風鈴 投稿日:2010年 4月20日(火) 同じ立場の国々 韓国 お隣の韓国へは観光で行く人も多く、多面で良く知られているますが、エネルギー情況を見てみましょう。 先ず基礎的なデータは 韓国 日本 国の面積(万平方キロメール) 10.01 37.79 2010推定人口(千万) 5.00 12.74 人口密度(人/平方キロ) 500 337 一人当たりGDP(万ドル) 19 38.5 一次エネルギー消費の割合を日本と比べると 燃料 韓国2004年 日本2005年 石油 50% 49% 石炭 24% 20% 天然ガス 12% 14% 原子力 14% 13% 水力 1%以下 3% 再生可能エネルギー 1%以下 1% 下の円グラフは上が韓国、下が日本ですが驚く位に似ています。どうしてこう良く似ているのでしょうか。 憶測に過ぎませんが、日本と同様に天然資源が無く、日本の産業発展を追従したからではないか、 と思えます。 時間の遅れがあるだけで、鉄産業、電気・自動車・家電製品など、日本と同じような製品を製造したので 消費エネルギーも同じようになったのではないか、ということです。 少し前に戻りますが、2002年に韓国がIEA(国際エネルギー機関)の26番目の国として参加を承認 された時の記事が http://www.iea.org/press/pressdetail.asp?PRESS_REL_ID=60 にあります。 その時に指摘されていた事は、韓国の製品単位のエネルギー消費(energy intgensity ) はヨーロッパの OECD国に比べ20%高い、それだけ効率が劣るということでした。円グラフの下にあるのは、 昨年11月20日に『日本の政治と産業界(2)』にあったグラフで、色々な国の「GDPとエネルギー消費」 を示し、日本が赤い矢印の下にあり、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアなどと同じグループ、 韓国は左下の赤丸に囲まれているように能率が良くありません。 エネルギー使用効率改善など2−3年で出来なく、日本が1990年に最高に達するまで20年間 かかりました。 このグラフは2004年のデータですので、韓国のエネルギー消費効率は未だ日本より低いと言えるでしょう。 そこで韓国の再生エネルギーに関しての参考となると、2007年以後のが多く、その頃から政府が本腰を 入れたと様子です。 2007年1月の記事で「韓国の風力発電は上昇中」と http://www.renewableenergyworld.com/rea/news/article/2007/01/wind-power-on-the-rise- in-south-korea-47109にあり、内容の主要部分だけを箇条書きにしてみます。 *政府は再生可能エネルギーを現在の2%から、2030年までに9%にすると発表した。 *石油価格急騰と公衆の気候変化の認識が高まり、風力発電業界への投資が増えている。 *風力発電の世界の大手Vestas や GE Wind へ部品を納めている韓国会社も来年は事業改善 が見込まれている。 *先週にカングウォン(Kangwon)州で一番大きい風力発電所が運転し始めた。49基の風車で、1基が 2メガワット発電し、この発電所は5万軒の家屋の電気を供給するし、15万トンのCO2放出を減らす。 *民間のウニソン会社が1.68億ドルで風力発電所を建て、政府は4千2百万ドルを貸与したし、発電力を 1kWhを11セントで買う約束をした。通常火力発電は5セントなので、高い値になる。 *経済成長を最優先した韓国は、世界で4番目に大きいエネルギー輸入国であり、97%以上外国依存である。 同じ2007年5月のニューヨーク・タイムズに「韓国はクリーン・エネルギーを求めている」と http://www.nytimes.com/2007/05/09/business/worldbusiness/09iht-solar.1.5635438.html にあります。 これも主要だけ取り上げると、 * 韓国南端のシナンに世界で一番大きい太陽光発電所が1.7億ドルの予算で建設が始まり2008年に 完成予定。 10万9千のソラーパネルが、フットボール場の80倍の広さに置かれ、自動で太陽光線を追い、 20メガワットを発電する。 ドイツのサン・テクニックス(SunTechnics)の子会社が建設し2万7千mWhを発電、6−7千の家屋の 電気供給、2万トンのCO2放出(車2万3千台と同じ)を除く見積もりである。 *太陽光発電は火力発電より7倍高いが、CO2放出が増加しているので政府は4.44億ドルをこの企画 へ使った。 *ドイツのサン・テクニックス社はアジア一帯で2008年までに事業が4倍以上のなると言っている。 *韓国は2005年に輸入燃料に6.67兆ドル払い、全輸入価格の22.1%だった。 *2005年に石油依存度が44%だったが、2030年までに35%へ減らす予定。 *先週に京城の西海岸で世界で一番大きい波力発電所を建設すると発表した。四つの島を7.8キロの堤防で 繋ぎ何十のタービンを設置し19億ドル予算で812メガワットを発電予定、これはフランスのLa Rance計画、 240メガワット発電より大きく、現在建設中で2009年に完成予定の同じく京城西のシーワ発電所 254メガワットより大きい。 2007年に比べ割と新しい記事が、昨年12月31日、韓国のコリア・タイムズ、 http://www.koreatimes.co.kr/www/news/biz/2010/01/123_58306.html に 『我が国の再生可能エネルギーは最低である』とありました。 2007年度にリニューアブルズ(renewables)が高い国から並べてありますが、日本は26番目で総エネルギー の3%が再生可能エネルギー、英国が29番で2.3%、韓国が30番目で1.4%、韓国は2007年から 大計画を始めましたが、未だ全体の割合に響くまでには実用化してません。 英国は最近上昇して、多分4.5%くらいで日本を抜いていますが、ヨーロッパ諸国が2020年までに20% を目指しているので、日本も大規模な企画とそれを実行しないと、韓国より低くなるでしょう。 韓国政府は2010年に新しく24兆ウォン、2.6億ドルを投資して、太陽光、風力、その他の再生可能 エネルギー開発することになり、それを可能にする為に外国から輸入する機器への関税を減らし、世界一の 再生可能エネルギー生産工場を2017年までに京城に建設する予定とのことです。 この新しい投資について http://www.allwindenergy.com/hummer/post/korean-investment.htm (中国の風力発電会社のサイトらしい)に今年2月の記事があります。この記事は良く書けてないので 「太陽光発電分野で韓国の投資が2009年に16.5億ドルだったのが、2010年には再生可能 エネルギー分野への投資が260億ドル(2兆3千万以上)に増えた。」にしておきます。 このように韓国は遅ればせながらも、現在大企画を既に建設中で、2030年までに再生可能エネルギーを 9%にすると言ってます。日本では最近環境省と経済産業省が2020年まで10%にしなければならない、 と言ってるのは良い目標ですが、具体的な計画は何で何処にあるのでしょうか。