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        「手紙〜親愛なる子供たちへ」

                                    投稿者:ひまじん 投稿日:2012年7月4日          


      年老いた私がある日 今までの私と違っていたとしても

         どうかそのままの私のことを理解して欲しい

         私が服の上に食べ物をこぼしても 靴ひもを結び忘れても

         あなたに色んなことを教えたように見守って欲しい


         あなたと話すとき 同じ話を何度も何度も繰り返しても

         その結末をどうかさえぎらずにうなずいて欲しい

         あなたにせがまれて繰り返し読んだ絵本のあたたかな結末は

         いつも同じでも私の心を平和にしてくれた


         悲しいことではないんだ 消え去ってゆくように見える

         私の心へと 励ましのまなざしを向けて欲しい

         楽しいひと時に 私が思わず下着を濡らしてしまったり

         お風呂に入るのをいやがるときには思い出して欲しい

         あなたを追い回し 何度も着替えさせたり

         様々な理由をつけて いやがるあなたとお風呂に入った

         懐かしい日のことを


         悲しいことではないんだ 旅立ちの前の準備をしている私に

         祝福の祈りを捧げて欲しい


         いずれ歯も弱り 飲み込むことさえ出来なくなるかもしれない

         足も衰えて立ち上がる事すら出来なくなったなら

         あなたが か弱い足で立ち上がろうと私に助けを求めたように

         よろめく私にどうかあなたの手を握らせて欲しい

         私の姿を見て悲しんだり 自分が無力だと思わないで欲しい

         あなたを抱きしめる力が無いのを知るのはつらい事だけど

         私を理解して 支えてくれる心だけを持っていて欲しい

         きっとそれだけでそれだけで 私には勇気がわいてくるのです


         あなたの人生の始まりに私がしっかりと付き添ったように

         私の人生の終わりに 少しだけ付き添って欲しい

         あなたが生まれてくれたことで私が受けた多くの喜びと

         あなたに対する変わらぬ愛を持って笑顔で答えたい

         私の子供たちへ 愛する子供たちへ