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                釣り日記(夏の大アジ)
 
                                 投稿者:高木伸  投稿日:2009年 8月27日(木) 

  	夏・夜・魚といえば私の場合はアジである。
         それも、大型のアジつまり大アジである。
         アジは6月頃から群れを成して浅瀬に入り込んでくる今年生まれた1年魚。
         と、8月から9月にかけて内海に入ってくる2、3年魚に分けられる。

         1年魚は日中にサビキ仕掛けを鈴なりにするほど沢山釣れる。
         これはこれで食べて美味しいし、何より釣り易いので大人から子供まで家族連れで
         楽しめる釣りである。
         これに対して2、3年魚は浅瀬では夜しか釣れない。
         釣りかたはこれまた簡単である。
         針にかかったら思いっきり暴れるので、向こう合わせで簡単にかかる。
         ただし、アジは口が弱いので針ががりが悪いと途中でバラしてしまうことがあるので
         取り込みには慎重を要する。

         さて、私がホームグラウンドにしている須磨海釣り公園は夏休みの期間中、平日も
         夜8時まで営業している。
         前回8月5日に行ったときは、まだ日が暮れるのが遅くて小アジしかつれなかった。
         ところが、ここのところ日が暮れるのが急に早くなってきた。
         今は夜7時に日が暮れる。
         それに、昨日アンケートプレゼントの当選の知らせに同封されて海釣り公園の
         無料招待券2枚が届いた。
         これは良い知らせだ!早速出かけよう!

         釣り場に着いたのは2時過ぎと少し早かったが日中は小アジの呑ませでスズキを
         釣ることにした。
         平日は、人が少ないにもかかわらず実績のあるポイントには通常誰か釣っているのに
         今日は誰もいない。
         潮が東流れ(下げ潮)になっている。予想ではこの潮が7時まで続くようだ。
         空を見上げたら花王石鹸の月(上弦の月?)が出ていた。今日は中潮である。

         このポイントでスズキが良く釣れるのは西流れの時ではなかったか!!
         一瞬不安がよぎったが気にせず竿を出した。

         サビキ仕掛けには最初から小アジが釣れてきた。
         早速、呑ませの仕掛けに小アジを鼻掛けにして泳がせた。
         先端の柔らかい穂先が小アジの泳ぎにあわせて震えている。
         それが時々大きく動く時がある。
         水の上からは水中のことは分からないが、恐らく何かに怯えて動き回っているのであろう。
         スワッ!スズキが来たか!
         と、身構えたがその後はまた通常の動きに戻ってしまった。
         スズキやハマチなどのフィッシュイーターが小魚を食べて走るときは、竿先が大きく
         動いた後、思いっきり竿を持っていくのでアタリはすぐ分かる。
         スズキやハマチはアタリの見分け方ではなく、かかってから後の遣り取りが難しい。

         小アジはすぐに釣れるので、何回も活きの良いものに変えたが結局アタリは来なかった。
         小アジの成長は驚くほど早く、6月頃7、8センチのものが2ヶ月で12、3センチに
         なっている。
         小アジは美味しいので少し持って帰ることにした。

         時計を見ると5時前である。
         大アジは6時頃から釣れるときもあるので大アジのポイントへ場所を移動した。
         昨年大アジを半夜釣りで釣り上げた場所には今日は誰も来ていない。
         確か昨年は人が一杯だったように記憶している。
         (この釣り日記を書いている時に調べたが、昨年は9月22日の土曜日に
           釣行している。・・・「遥かなる木霊」作品集による。)
         そこで、一応昨年最も釣れていたポイントに釣り座を構えた。
         このポイントは日が完全に没してからの釣りで、それまでまだ時間がある。

         日が傾いてから日没までの時間にも大アジは釣れることがある。
         サビキ仕掛けを遠投して釣るやり方で、その場所には常連さんの女性釣り師が
         一人だけ釣っていた。

         (小生)        久しぶり。
         (女性釣り師)  こんにちわ。
         (小生)        今日はやけに少ないね。
         (女性釣り師)  東流れの潮の時はいつもこうよ。この潮の時は釣れないの。
                         みんな良く知ってるわ。
         (小生)        潮止まりが7時になっていて、7時には日が暮れるから
                         それからが勝負かな?ところで、大アジは来てるの?
         (女性釣り師)  来てるという人もいるけど私はまだ釣っていない。
                         今日は常連さんが来ていないのでどうかしらね。

         6時からサビキ仕掛けを遠投して釣ってみたが、予想どうり全くアタリがなかった。

         7時になり暗くなったので、持参の2本の竿のうち1本の竿には昨年の実績から
         青いソメを付けて浅いタナを狙うことにした。
         もう一本の竿はアミエビがまだ残っていたのでサビキ仕掛けにしてこれも浅いタナを狙った。

         仕掛けを投入した途端に竿をひったくるような激しいアタリがあり、リールを巻くと
         大アジが銀鱗をキラキラさせながら差引き仕掛けに喰らいついていた。
         そのまま、ごぼう抜きにして釣り上げ激しく暴れる大アジを左手で無造作に捕まえる。
         アジのトゲは痛いので左手は傷だらけだがそんなことはいっていられない。
         アジは回遊魚なので素早く仕掛けを放り込み、常に餌を撒いていないとその場から
         立ち去ってしまうからである。
         そこで素早く仕掛けを投入した。途端にまた大当たり。
         巻き上げたら今度は2匹連で掛かっていた。
         釣り上げて、ばたばたと大暴れする大アジを左手でむんづと捕まえてクーラーに放り込む。

         全ての魚に共通するが、魚は釣り上げたら活き締めにしたほうが鮮度が保たれて美味しい。
         大暴れする大アジをその場で活き締めにするのは真っ暗な中では至難の技なのでいったん
         クーラーに入れてから動きが少し収まるのを見計らって活き締めにした。

         入れ食いはその後も続き7時から7時25分の間で6匹釣り上げた。
         それからはピタッと当たりが止まってしまった。

         7時半になるとまもなく閉店を知らせる「蛍の光」が聞こえてきた。
         「蛍の光」は学校の卒業式に限らず、終わりを知らせる格好の音楽となっている。
         これが鳴り出したらそわそわして釣りにならない。
         本場英国でもこういう使われ方をしているのだろうか?

         満足いく釣果で悠々家路を急いだ。
         帰ったら食事の用意は出来ていたので、刺身にはしないで翌日塩焼きで食すことにして、
         残りは一夜干しにした。

           釣果大アジ6匹、小アジ多数。