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                       釣り日記(2009年の釣り納め)

                                       投稿者:高木伸  投稿日:2009年12月25日(金)


  	高島画伯の「木霊」の挿絵に釣り人が霞ヶ浦に釣り糸を垂らしている絵が登場してから、釣りのことが
        頭から離れなかった。
        今年は水温が高くて、釣果情報を見るとまだシロギスがあがったりしている。
        水温のことが気になっていたが、このままでは釣り収めも出来ない。
        あれこれ気を揉んでいるうち、寒波襲来のニュースが報じられ、一挙に寒くなった。
        地上の温度に比べると海水温は緩やかに下がるので、地上で一挙に寒くなっても、即座に海水温が下がる
        ことはない。
        それでも、いくらか水温は低下しているはずだから、そろそろメバルも活性化する時期に来ている
        はずである。
        期待と不安が入り混じった12月23日メバルを釣りにいつもの場所に行ってみた。

        釣り場に着いたのが9時前で潮は7時から上げていた。潮どまりは2時の小潮周りを釣ることになる。
        一番良い潮時を少し外したようなので、急いで仕掛けの準備をした。
        この仕掛けの準備をし、第1投を投ずるまでが、釣り人にとっては一番わくわくするするときであり
        至福の時でもある。
        何故ならば、釣り人は欲が深く、大物が来る期待感を常に持っているわけであり、その期待感は第1投を
        投入する前が最も大きいと言える。
        そして、その期待感は第1投を投じたあとまでは持続しないのが普通である。
        ところが、今回は違った。

        期待を込めて第1投を投じた。
        糸が潮の流れに同化してゆっくりと動く。ハリスを1ヒロとっているので水中では活きエビが
        潮の流れのままに自然な形で流されているはずだ。そして、時折水中でピンと動いている。
        そのようなことをイメージしながら釣り人は釣っている。
        そんなことを頭の中で考えながらも目は竿先と糸のフケ具合をしっかりと見ているのである。

        竿先にもぞもぞとしたアタリ!
        すかさず、竿を立てると、はたしてメバルのアタリ!
        久しぶりのメバルのアタリの感触に心が躍った。
        抜き上げてみると20センチ弱の普通サイズだった。
        第1投から当たることは滅多にないことである。期待感が持続した。
        第2投。第3投。そして、第4投目にまたしてもアタリ。
        久しぶりのメバルの感触を楽しもうと少し泳がせすぎたのがいけなかった。
        根に持っていかれたのだ。
        この場所は知り尽くしているつもりだったが、どうやら今までなかった障害物があるらしい。
        メバルをはじめ根魚は一度根に持っていかれたら長い時間鰓を張って抵抗する。
        2、30分ほったらかしたら動くかもしれないが、釣り人は概して気が短いので諦めてしまう。

        横で女性の声がした。

       女性   「アラァ。横で釣らしてもらって良いかしら」
      小生   「どうぞ、どうぞ」
      女性   「そこで聞いてきたけど、Aさんがハゲ掛けでウマズラを朝から15匹も釣ったらしいね」
           「こんな潮が速いのにねぇ」
      小生   「Aさんは朝早くから来ているんじゃない。今はあまりつれてないよ」
            今日は小潮だしこれから潮が緩くなるからハゲ掛けには良いんじゃない」
      女性   「メバルはどうです」
      小生   「そろそろ釣れだす時期だと思うよ。今日は形は小さいけど釣れた」
      小生   餌のエビを見せながら「ほら、こんな食われ方をしている。頭だけ食っているので、
           フグかウマズラじゃないかな」
           ・・・置き竿にしていたら、竿を震わす大きなアタリ。すかさず合わせるが空振り・・・
      女性   「大きなアタリでしたね」
      小生   「ほら、エサが残っている。ひょっとしたらメバルだったかもね」
            ・・・すかさず、竿を入れるとすぐにアタリがあって小さなメバルが釣れてきた・・・
      小生   「さっきのはこのメバルのアタリだったんじゃない。小さいメバルほど大きなアタリを
            するから」
           「メバルは食いついてもエサを離すから置き竿にしていたら釣れないことが多いね」
      女性   「私はそのタイミングが分からないから、もっぱらハゲ掛けやサビキにしている」
            ・・・いままで、空振りだった女性の竿が大きくしなった。どうやら大物らしい・・・
      小生   「大きなウマズラみたいね」
            ・・・上がって来たのは35センチほどのウマズラだった。女性はその後さっきより少し
            大きめのウマズラを追加した。
            ・・・私はというと結局、メバル4匹、ガシラ1匹。いずれも20センチ弱の小物を釣って、
            納竿し、釣り納めとした。