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                          釣り日記2010(梅雨グレ)


                                           投稿者:高木伸  投稿日:2010年 6月29日(火)
  	

       梅雨に入って青空が広がる所謂梅雨の晴れ間という日が今年は1回しかない。
       毎日どんより曇っているか激しい雨が降っているかのどちらかである。
       梅雨らしい日が続いているといえばそれまでだが、なんとなく気分までがすっきりしない。
       よく映画などで雨に濡れるシーンが出てくる場合は大抵ロマンティックな設定になっていることが多い。
       しかしながら最近は地球温暖化の影響なのか、雨といえば土砂降りの集中豪雨が多く、そぼ降る雨などといった
       ロマンティックな降りかたからは程遠い。

       私の場合、元来雨が苦手だ。
       雨の日に傘を差して出かけてもズボンなんかに雨がしみこんだり、時には靴の中まで雨が入ってくることもあり、
       そういう時は実にいやな気分になる。まして途中から雨が降ったときなどはなにおかいわんやである。
       そして、雨に濡れたら何故かきまって風邪を引くのである。

       そういうわけで、梅雨の時期はなるべく釣行は避けている。
       尤も、最近は本命のメバルが釣れないので梅雨に限らず釣行そのものが少なくなってしまったが・・・。
       それでも、釣りを諦めたわけではなく、「須磨海釣り公園」のホームページは熱心に見ている。
       したがって、今何が釣れているのかは把握しているつもりだ。

       梅雨に入って魚の食いが活発になったようだ。
       ここ1週間の釣果状況ではサバが回遊してきたようだ。
       それも、40センチを超える大サバである。
       そして、特筆すべきは31・5センチの石鯛と同じく31・5センチのグレ(メジナ)が上がっていた。
       両方とも今年の最長寸の記録であった。

       「須磨海釣り公園」は神戸市が30数年前に須磨の海上沖に桟橋を設置した釣り公園で主にスズキやハマチなど
       の回遊魚が狙い目である。また、瀬戸内海はチヌ(黒鯛)やメバルが多く生息しているのでこれらを専門に狙う
       ことも出来る。
       ところが、石鯛やグレはもともと、外洋に面した岩場に生息する魚で、両方とも50センチを超えるものもいるが、
       須磨ではあまり大きいのはいない。
       したがって、ここでは、この程度の大きさが限度である。

       石鯛とグレの最長寸が釣れた日は、それぞれ違った日であったが、いづれも雨の日であった。
       大体魚が良くつれる日は雨の日が多い。雨で濁りが入り人の気配がしないからだろうか?そういうことで、
       曇ってはいたが少し太陽も顔を覗かせる6月28日釣りに出かけた。
       いつものえさ屋に入る。
       小生・・・・・・ *アミエビを手に取る。 *サバのエサ。
       おかみさん・・・ まだ、硬いけど直ぐ溶けるわよ。
       小生・・・・・・ *マムシある。 *関東では岩イソメという。
       おかみさん・・・ あるけど何釣るの。
       小生・・・・・・ 石鯛を狙おうと思っている。少しで良いけど300円で買える。
       おかみさん・・・ マムシは高いから最低500円からよ。
       アミエビとマムシ計700円を払い目的地へ車で移動。

       釣り場に着いたら月曜日なのに人がいっぱいである。
       みんなサバを釣っている。
       サバは掛かったら横走りするので間隔を開けないとお祭りしてしまう。
       とても入れる状態ではなかったし、エサの冷凍アミエビがまだ溶けてないので、溶けるまで石鯛を狙うことにした。
       石鯛はサバと違う場所だし、誰も狙っていなかった。
       石鯛はサバと違って滅多に釣れないので狙う人も少ないのだ。
       潮は大潮で満潮止めまであと1時間だ。
       上げ7分の丁度良い時間帯である。
       仕掛けはメバルと同じだが、針をチヌ2号にし、ハリスを2号と少し太めにした。
       マムシを付けタナは2ヒロと浅めにした。

       第1投でなにかモゾモゾとした動きがあり、合わせたが空振りでエサもそのままだ。
       メバルの場合ならあの合わせで針掛かりする。
       エサのエビとマムシの違いもあるが、このアタリは石鯛の鋭角的な当たりではない。
       何だろうと思いながら第2投目を振り込んだ。
        今度はアタリがない。集中的に振り込んだがアタリがなくなった。
       今度は5メートルほど離れたところを攻めたら、最初のアタリと同じ動きがあった。
       今度は一呼吸遅らせて合わせてみた。
       途端に一気に竿を持っていく強いスピーディなアタリ!
       根に持っていかれそうになったが、竿をためて堪えリールを巻いて水面に浮いた魚を見たらグレであった。
       思わず顔がほころんだね。グレはおいしい魚なのである。
       針は唇の丁度良いところに掛かっていたので直ぐにはずすことが出来た。
       あと、活け締めにする必要がある。
       活け締めとは鮮度を保つため鰓の近くにナイフを差して魚を即死させることである。
       ところが、グレという魚に慣れていなかったことと、グレは力が強く、また、体の表面がぬるぬるしているため、
       鰓か背びれが指にあたり人差し指の先端を少し切ってしまった。指は血が良く出るところで、しかもなかなか
       止まらない。
       あまり長く放っておいたら魚がいなくなるので、出血していたが同じ場所を攻めたら、はたして、同じところで
       同じアタリがあった。
       2匹釣って少し余裕が出たため、管理棟へ行った。
       絆創膏の持ち合わせがなかったので、管理棟に行ったらバンドエイドを常備していた。
       ここは、トイレの設備もあるし、こういう細かな対応も出来るので大変便利だ。

       血止めの処置をして再開したが、アタリが消えていた。
       その間ほんの10分間ほどだったが、潮がほとんど止まりかけていた。

       潮が止まり再び動き出すまでは魚のアタリはまずない。
       魚は潮どまりには食わないのだ。
       ごく例外的に食べる魚もいるが、フグとか雑魚が多い。

       再び潮が動き出した。
       今度は下げ潮だ。
       上げ潮と下げ潮では釣れる場所が違う。
       潮が障害物に当たってよれる所に魚が集まるが、その場所が潮の流れで違うからだろう。
       場所を変えて竿を出したら、今度は先ほどよりもっと微妙なアタリがあった。
       合わせても針掛かりしない。
       エサを付け替えることにしたが、エサは最初に釣った場所に置いてきたままだ。
       エサを付けて戻ってみると、その場所でチヌ狙いの人が竿を入れていた。
       チヌ狙いの人は絶えず場所を移動している。
       チヌは同じ場所に群れていることは稀なので、絶えず移動したほうが有利なのだ。
       その人がそこでチヌを釣り上げた。そして、別の場所へ移動した。
       しまった!先ほどの魚はチヌだったのか。
       と思いながら、そこに竿を入れたらアタリが残っていた。
       少し間を置いて合わせたら、強いスピーディなアタリがあった。
       先ほどの2匹のアタリに加え、重量感がある。
       3回ほど締め込みをかわし、上がってきたのは先ほどのグレより一回り大きいグレであった。
       近くの人が寄ってきて、「大きいね。エサは何?」、「マムシです」、「へー マムシで釣れるんや」
       確かに大きかったので、管理棟に備え付けのメジャーで測ったら、31・5センチあった。
       ホームページで見た最長寸の記録とタイであった。
       
       そのうち、潮の流れが速くなりアタリが遠のいた。
       サバは相変わらず釣れていたが場所がなかったので、買ってきたエサは以前釣り日記で登場した
       女性釣り師がサバを釣っていたので、その人にあげて納竿とした。