地図と拳
小川哲さんの直木賞受賞作「地図と拳」を読みました。
図書館からこの本を借りたときはビックリ。630ページにも及んでいました。
日露戦争前夜(1901年)から第二次世界大戦終戦(1945年)までの約半世紀が満州を舞台に描かれています。
この本を読む前に満州国に深くかかわった陸軍中将石原莞爾のことを書いた本を読んでいたので興味深く読むことができました。
不凍港を求めて南下を続けていた帝政ロシアはシベリア鉄道を旅順港まで伸ばし、当時朝鮮半島を支配していた日本にとってはロシアの南下政策は脅威であった。
そして、日露両軍は未開の中国東北部沙河で合戦した。
当時の首脳部は大国ロシアに勝てるとは思っていなかったのではないか?
日本軍は沙河の合戦や旅順近郊の203高地で未曽有の死者を出したが、旅順港を攻略し、当時最強のバルチック艦隊を対馬沖に沈めることにより勝利を収めた。
その結果中国東北部に敷設された南満州鉄道の経営権を手に入れた。
中国東北部は当時の中国の辺境の地であり、日露戦争後も大国ロシアの脅威は依然として残ることになる。そこで石原莞爾は国自体は中国で、日本は南満州鉄道を利用し、街づくりを主導して人を住まわせロシアの脅威を排除しようとした。
満州事変が勃発して満州国が成立する。満州事変でもわかるように当時の中国は石原の考えとは違って日本は単なる侵略者とみなしていたと考えられる。
この物語は当時の南満州鉄道を利用して奉天や新京などを活性化して未開の地(未開の地には豊富な石炭があった)を発展させようとした満州国に、日本人による架空の都市を創らせる。そして、そこには日本軍人・満鉄社員・商売人などの日本人と中国国民党員・八路軍(共産党)商売人、土着人などの中国人等がそれぞれに生活し激動の歴史に翻弄される姿が描かれている。
そして第二次世界大戦の終戦まで続くわけなので日本の没落までの歴史である。
作家はこの間のエネルギーの転換(石炭から石油)を日本没落の一つの理由として挙げている。
満洲の豊富な資源は石炭であり、日本は石油を求めて軍は南方に進出するが、それは占領であり諸外国からの反発は避けられないし大国アメリカを敵に回すことになる。
それより少し前日本は国際連盟から撤退したり、また、ナチスドイツと手を組みイタリアと共に三国同盟を結んだりしている。
この方針を進めたのは日本陸軍であるが、首謀者は東条英機大将(後の首相)と松岡洋右外相である。(なお、石原莞爾中将は東条英機と言い争い失脚している)
この小説では細川という丸渕メガネの男に仮想内閣を作らせ早い段階で日本が負けると予言させている。
しかし当時の日本は軍は勿論だが、マスコミなども一丸となって戦争に突き進んだと聞いている。
第二次大戦ではドイツが降伏し、そのあと日本が降伏している。
ドイツはロシア(当時ソ連)に敗れてあとズルズルと後退したが、ナポレオンでさえロシアには勝てなかったほどの国である。
またこの小説ではアメリカのエンパイアステートビルを見て細川に日本は勝つわけがないと言わせている。
現代人は結果論でものを言うことができるが、当時生きていればどうなったのやら???しかし現代人は過去を教訓として物事を判断できる。
綿密に練られた小説でした。
関西のヒマジン 2024/07/03(Wed) 10:17
外国の観光客
今、神宮内のカフェで休んでいます。まわりは外国の人ばかりです。正に日本は、世界の観光地となりました‼️
トト 2024/07/01(Mon) 14:57
恵美ちゃんへ
読んでいただいているとは知りませんでした
これからもよろしくお願いします。
関西のヒマジン 2024/06/16(Sun) 14:03
朝の日課
私は1年ほど前から毎朝ヨガとストレッチを合わせた独自のプランを作り体を動かしています。ヨガは猫のポーズ、チャイルドポーズ、ダウンドッグ、片足立ちそれにヨガではないかもしれませんがシュワイショー。そして、肩と足腰のストレッチ、目、耳のツボ押しなどです。
後期高齢になって更にはコロナが流行り全体的に体の変調をきたすことがあったので朝の日課としました。
この組み合わせは自分の体の不調な個所の改善方法をネットで調べたり、ヨガのポーズと効果を調べたりしました。
この運動による効果かどうかわかりませんが、体重は安定していますし、それなりに健康を維持しています。
関西のヒマジン 2024/06/13(Thu) 11:44
カロライナジャスミン
今年もカロライナジャスミンの季節になりました 残念ながら、地球温暖化等の影響をうけ、トップの写真のようには、咲けないみたいです!!!
taro 2024/05/02(Thu) 11:22