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今日の朝日新聞の「政治断簡」で編集委員の高橋純子氏がかなりきつい調子で現政権を批判していました。
その一部を引用します。
ーーー「沖縄の皆さんの心に寄り添い」と、先月の所信表明演説。
国会の議事録を検索すると、首相が「心に寄り添う」相手は三者に絞られる。
「被災地の心に寄り添う現場主義で」(2013年2月5日)。
さらに、自身が発表した戦後70年談話を引いて「戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、そうした女性たちの心に、常に寄り添う国でありたい」(15年8月24日)。
被災者・被災地。(慰安婦を含意するとみられる)女性。そして沖縄。
この3つが並んだ時、少しく驚いた。
「寄り添う」は、具体的に何をすると寄り添ったことになるのか判然としないし、仮に何もしなくても寄り添ったことにはなる便利な常套句だ。
それを、さまざまな理不尽を背負い、背負わせてきた3者にそろってあてがっていたとは。アナタノココロニヨリソイマス。アナタノココロニ・・・・。
舌先で転がされただけの「寄り添う」は、当事者の怒りや苦しみに向き合わないことをごまかす都合の良い言い訳になることもあれば、「寄り添ってもらっているのにわがままだ」と、攻撃の口実に転嫁することすらある。
沖縄に関して、首相は寄り添うと言ったのに寄り添っていないとの批判があるが、どうだろう。
寄り添う気がないからこそあえて寄り添うと言っているのかもしれない。
いずれにせよ「嘘つき」程度の批判では現政権に失礼である。
私は、そう思っているーーー(以上)
*秋葉原の街頭演説の際、自分と意見を異にする人たちを排除した人なので、彼が使う「寄り添う」という言葉は、白々しく聞こえる。
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